血液検査項目で「K」と記されるカリウム。カリウムはミネラルの一種で、体を動かすためには必要不可欠なものです。
そのカリウムの数値が低くなっているとき、体にはどのような変化が出ているのでしょうか。
今回は、血液検査でカリウム(K)の数値が低いときの原因と数値を改善するための方法についてご紹介します。
カリウム(K)の数値からわかること
血液検査項目カリウムの数値を見てわかることは、「心臓のはたらきに異常がないかどうか」ということです。
カリウムは心臓の筋肉と深い関りがあり、カリウムの数値が高いと「高カリウム血症」、低ければ「低カリウム血症」と診断されます。
いずれの場合にも深刻な不整脈があるということが推察できます。
カリウム(K)の数値が低いときの原因は?
カリウムの数値は高くても低くても心臓に異常がある、ということになりますが、心臓に異常をきたすほど低カリウム状態となる原因はどこにあるのでしょうか。
カリウムが低くなってしまう原因についてみてみましょう。
カリウムの摂取不足
コーヒーやお茶など、利尿作用の強いものを飲食しているにも関わらず、カリウムの摂取が不足すると血中のカリウムも不足します。
多量の発汗
汗をかくとナトリウムとともにカリウムも排出されます。暑い中での長時間の運動などで、一時的に血中のカリウムが低下します。
嘔吐・下痢
嘔吐や下痢が続くと、水分不足になるばかりではなくカリウムも欠乏状態となってしまうことがあります。
ダイエット・拒食
極端な食事制限ダイエットや拒食、デトックス食などでカリウムが欠乏することもあります。
カリウムは肉や魚介類、野菜などの食物に含まれているため、食事を極端に減らしたり制限することで、必要量のカリウムに届かずカリウムが低下してしまうのです。
アルカローシス
人間の正常な血液は中性ですが、血液がアルカリ性に傾くことを「アルカローシス」といいます。
アルカローシスではカリウムの貯蔵量の低下、臓器からのカリウム過剰喪失が起こり、結果低カリウム血症となります。
バセドウ病
バセドウ病では時に重篤な低カリウム血症が見られます。
飲酒や発汗により低カリウム血症を引き起こすことで、体中に力が入らなくなり起き上がれなくなってしまうこともあるようです。
薬の投与・副作用によるもの
利尿剤が投与されている時や、インシュリンの副作用で低カリウム血症となることもあります。
カリウム(K)の数値を改善する方法とは
このようにカリウムは、特段病気になっている状態ではなくとも低下してしまうことがあります。
特に短期集中型のダイエットを行う女性にも多くみられ、カリウムだけではなく体全体にビタミンやミネラルが不足することで体には様々な弊害があらわれてしまいます。
もっと健康的な毎日を送るため、体に必要不可欠なカリウムの数値を改善していきましょう。
カリウムの多い食事にチェンジ!
カリウムを多く含む食品はとてもヘルシーなものが多く、たとえダイエット中であっても摂取を控える必要はありません。
カリウムを多く含むのはさつまいも、ひじき、春菊、枝豆、パセリ、明日葉、アボカドなどどれも体にいいものばかりです。
明日葉とアボカド入りのスムージーなどを作り、毎朝飲むようにしましょう。
汗をかいたらミネラル補給!
汗をかきやすい時期や運動時など、カリウムを多く失ってしまいそうなときには早め早めにミネラル補給をしましょう。
スポーツドリンクを常に携帯して、喉が渇く前に飲むのがポイントです。
毎日の習慣にサプリメント
朝の出勤前、もしくは疲れて帰ってきた夜に、不足しがちなミネラルを毎日上手に摂取するならサプリメントもおすすめです。
ダイエット中でも、サプリメントなら気になるカロリーもごくわずかですから安心ですね。
ダイエットを意識しすぎた生活が返って落とし穴に!
低カリウム血症は、「健康的な毎日を送りたい」と思っている人には意外な落とし穴として現れます。
ヘルシーなはずの高負荷の運動、塩分の少ない食事、脂質を多く摂取しない偏った食生活などで、気づかぬうちに低カリウムとなっているのです。
特に汗をかきやすい夏場は、積極的にカリウムを摂取するよう心がけましょう。