心電図の結果の「反時計(方向)回転」とは?原因と病気の可能性

心電図

心電図の結果、「反時計(方向)回転」という検査結果が出た時、それが何を示しているのか分かる人は、そうそういないのではないでしょうか?

言葉の印象から「普通とは違う恐ろしい状態」のように感じてしまいますが、実際にこれは何かの病気、又はその前触れなのでしょうか。

今回は、心電図結果の「反時計回転」とは何なのか、その原因と病気の可能性について解説します。

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心電図の「反時計回転」とはどんな状態?

心電図反時計
心電図検査は、心臓の動き(筋肉に流れる電流の動き)を体表から読み取る検査です。

この検査では、不整脈・狭心症・心筋梗塞など心臓病の兆候がないか、動きに異常はないかを調べることができます。

心電図検査の際、正常な心臓は若干時計回りに傾いているため、その流れは右上から左下に向かっています。

しかし、中にはその流れが縦方向になっている人もいます。つまり、正常な心臓より反時計回りに傾いている状態です。これが心電図の「反時計回転」といわれる症状の正体です。

心電図が「反時計回転」になる原因

ガリガリ
反時計回転となってしまう原因は、主に体型にあると言われていいます。

肥満体系で心臓を上に押し上げている人は、心臓の向きが徐々に時計回りに傾いていきますが、やせ型の人、胸が薄い人は、逆の反時計回転に傾いていきます。

横隔膜が下がっている人、スポーツを日常的に行っている人にも多く見られる現象ですが、体型に関係なく反時計回転となっている人も中にはいるようです。

「反時計回転」の時にはどんな病気の可能性がある?

心電図病気
一般に健康な方が反時計回転であっても、健康には何ら影響はありません。

心電図検査の結果、反時計回転というだけで、その他不整脈や狭心症、心筋梗塞のような疾患の可能性がないのであれば、気にすることはないでしょう。

特にやせ型の方は反時計回転になりやすい状態ですので、健康に問題がなければ心配ありません。

但し、反時計回転以外に不整脈などの心疾患がある場合には注意が必要なようです。もしすでに不整脈をはじめとした心疾患を患っている場合には、かかりつけの医師に詳しく相談してみましょう。

心臓は「時計回り回転」の方が危険?

metabolic syndrome
ここまで心電図の反時計回転について述べてきましたが、実は最も注意したいのが心臓の「時計回り回転」です。

反時計回転とは逆に、時計回り回転は肥満症の人に多く見られます。

2012年に発表された文献によると、心電図の時計回り回転は心血管疾患死亡と関連があるという発表がされています。

心臓の長軸回りの回転(時計回り回転,反時計回り回転)と心血管疾患死亡リスクとの関連について,一般住民を対象とした追跡研究による検討を行った。その結果,男性,および男女をあわせた解析において,他の心血管危険因子および心電図異常などとは独立に,時計回り回転は心血管疾患死亡リスクと有意な正の関連,反時計回り回転は負の関連を示した。発見から100年以上にわたって大きな関心の対象とならなかった時計回り回転および反時計回り回転であるが,これらが心血管疾患死亡リスクにおよぼす影響のメカニズムを検討する必要がある。

引用先:epi-c.jp「心電図の時計回り回転は心血管疾患死亡リスクと正の関連,反時計回り回転は負の関連」

この研究では、対象となった男女ともに約半数が正常回転、40%が反時計回転、5~8%が時計回転という結果が出ています。研究によると、時計回転の人は特に心血管疾患死亡リスクに影響をおよぼしていると言えるようです。

この数値を見ても、正常な回転が半数に対し、反時計回転は40%と意外に多くの人が反時計回転と診断されているようです。ここからも、心電図の反時計回転は気にしすぎる必要はない、ということがわかりますね。

心電図の「反時計回転」は怖くない

このように、心電図検査の結果が「反時計回転」である時でも、さほど気にする必要はないようです。

特にやせ型の人、スポーツを日常的に行っている人に多い現象ですので、他に持病や心疾患がない場合には気にせず普段通りに過ごして大丈夫でしょう。

逆に注意したいのが、心電図の時計回り回転です。時計回り回転は男女ともに年齢が上がると確率も上昇します。心電図に異常があった肥満体系の方は、心疾患に十分注意してください。

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