腎炎の症状ってどんなの?腎臓炎の種類と原因や食事で気を付けること

腎炎の症状

腎炎にはいくつかの種類があり、さまざまな症状があります。重篤度も腎炎の種類により大きく異なってくるので、気になる症状がある場合は、まずは病名を明らかにしなければなりません。

そんな、腎炎の症状、種類、原因について詳しく紹介します。腎炎になった際の食事制限についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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腎炎(腎臓炎)とは?

腎炎(腎臓炎)とは、腎臓の炎症性疾患の総称で、病状などより、数種類に分類されています。

腎炎の種類を大きく分けると、

  1. 一過性の急性腎炎
  2. 長期にわたる慢性腎炎
  3. 腎盂に直接的な原因がある腎盂腎炎

の3種類があります。

1.急性糸球体腎炎(急性腎炎)の症状

目が腫れる

血尿、蛋白尿、尿量減少、まぶたや下肢の浮腫(むくみ)、高血圧など

急性糸球体腎炎は、特にこどもに多い病気ですが、まれに成人もかかることもあります。

これらはいずれも一過性の症状なので、予後は良いとされていますが、尿の異常が長引くと、腎機能障害が残ってしまうこともあるため、注意が必要です。

2.慢性糸球体腎炎の種類別症状

尿蛋白
慢性糸球体腎炎は、腎臓に1年以上にわたり炎症が起こりつづける病気の総称で、いくつかの種類に分類されています。

IgA腎症

血尿、蛋白尿など

IgA腎症とは、感染症などにより、IgA(免疫グロブリンA)の異なるタイプが出現し、腎臓に炎症を起こす腎炎です。

血尿や蛋白尿は、見た目で気づきにくく、その他に目に見える自覚症状がないため、健康診断などで発見されることが多いです。

慢性糸球体腎炎の症状が長く続くと、徐々に糸球体が硬化することがわかっており、腎機能の低下、更には腎不全になってしまう人もいます。

膜性腎症

蛋白尿など

膜性腎症とは、糸球体の血管壁に免疫複合体が沈着することで蛋白が漏れてしまう病気で、中高年に多く発症する傾向にあります。

膜性腎症が、何らかの病気によるものの場合、根本の病気の治療を行うことで症状が軽減します。

一方、原因になる病気が認められない特発性の場合、自然に症状が落ち着くこともあります。ただ、蛋白尿が長期間続くと、腎不全になる確率が高いので注意が必要です。

膜性増殖性糸球体腎炎

血尿、蛋白尿、浮腫(むくみ)など

膜性増殖性糸球体腎炎は、こどもに多くみられる病気で、難病に指定されています。

しかし、近年、早期治療により約半数の患者において、2年程度の治療で症状がかなり軽減する例がみられるようになりました。

ただし、症状に気づかず治療を行わなかった場合は、10年から15年の間に半数以上が末期腎不全に陥ると言われています。

急速進行性糸球体腎炎

全身倦怠感、微熱、血尿、蛋白尿、貧血など

急性進行性糸球体腎炎は、難病指定されており、腎炎の中で最も重篤な腎炎です。

急性進行性糸球体腎炎は、糸球体の周りにあるボーマン腔に、クレッセントと呼ばれる半月体が出現し、糸球体の血流が妨げられる病気です。

急性進行性糸球体炎は、2年間の死亡率が22.3%と予後が不良で、大半が慢性腎不全になります。また、腎不全により透析治療が必要になる患者も全体の23.3%と多いです。

3.腎盂腎炎の症状

背中が痛い男性

背中や腰の痛み、発熱、排尿痛、残尿感、頻尿、血尿、尿混濁、吐き気、寒気、脱水など

腎盂腎炎は、急性の腎炎ではありますが、腎盂から始まる病気のため、急性腎炎とは区別されています。

腎盂腎炎は、抗生物質の服用により完治する病気ですが、症状が重い場合は、入院が必要になることもあります。

また、尿の通過障害が認められる場合は、最悪死に至る可能性もあるため、注意が必要です。

腎炎(腎臓炎)の原因

医学書
腎炎の原因もその種類によって異なります。それぞれの腎炎の主な原因は以下の通りです。

急性糸球体腎炎

急性糸球体腎炎は、溶連菌感染症の際に適切な治療を行えず、溶連菌が体内に残ってしまった際に発症することが多いです。

ただ、溶連菌以外の細菌以外でも発症するため、扁桃腺や喉の炎症を伴う感染症にかかった場合は、きちんと治療を受けるようにしましょう。

IgA腎症

IgA腎症は感染症がきっかけとなり発症する腎炎ですが、その原因はまだハッキリとわかっていません。

膜性腎症

膜性腎症の大半は、原因不明の特発性ですが、B型肝炎ウイルスなどの感染症、悪性腫瘍、全身性エリテマトーデスなどの膠原病など続発症として出現したり、薬剤により発症するものなどがあることがわかっています。

膜性増殖性糸球体腎炎

膜性増殖性糸球体腎炎の原因は、まだはっきりとわかっていませんが、細菌感染やウイルス感染などによるものではないかと考えられています。

急速進行性糸球体腎炎

急速進行性糸球体腎炎の根本的な原因はまだわかっていませんが、自己免疫の異常によるものと考えられています。

腎盂腎炎

腎盂腎炎は、大腸菌、プロテウス、緑膿菌、ブドウ球菌、腸球菌などの感染が原因になっています。

これらの細菌は、尿道から侵入することもありますが、体内の別の部位に感染した細菌が、血液を通して腎臓に侵入することもあります。

腎炎(腎臓炎)の際の食事制限

加工肉
腎臓は、体内の老廃物を排出する重要な役割を果たしているため、腎炎になった際には腎臓を労わるためにも、食事制限を行うことが多いです。

食事制限の対象になるものは、以下のようなものがあります。

  • たんぱく質
  • 食塩

たんぱく質は腎臓に負担をかけるため、制限されることが多いです。

また、食塩は腎臓の機能の低下により体外へ排出しづらくなっているため、高血圧など合併症を引き起こす可能性が高く、制限されることが多いです。

他にも、症状によっては、水分やカリウムの摂取量についても制限されることがあります。食事制限については、年齢などによっても内容が異なってくるので、必ず医師の指示に従うようにしましょう。

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腎炎の早期発見のために!

腎炎の症状は、ハッキリとわかるものから、気づきにくいものまであります。また、自覚症状が出た頃には、既に腎炎が進行してしまっていることも多いです。

腎炎は、早期発見、早期治療ができるか否かで、予後が大きく変わることも多いので、健康診断や教育機関での尿検査の結果に異常があった場合は、きちんと精密検査を受けるようにしましょう。

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