筋肉を動かすために必要なエネルギーを供給する酵素「クレアチンキナーゼ」、この数値が高かかった時には脳や心臓に異常がある場合もあるため、あまり軽視できないようです。
とはいっても、検査を受ける人の活動量が数値に影響することもあり、一度の検査で確実に病気であるとは言えません。
今回は、クレアチンキナーゼ(CK、CPK)が高いときにはどんな病気である可能性があるのか、またその原因について解説していきます。
目次
クレアチンキナーゼ(CK、CPK)の働き
冒頭でも軽く触れましたが、クレアチンキナーゼは筋肉を収縮・弛緩させる際に必要なエネルギーを作り出す酵素の一種です。
この酵素は心臓や脳、骨格筋に多く含まれており、体を動かすことで血中のクレアチンキナーゼの値は高くなります。
通常、クレアチンキナーゼは血中にはほとんどないことから、血液検査でクレアチンキナーゼが高くなっている場合には注意が必要です。
クレアチンキナーゼ(CK、CPK)が高くなってしまう原因
クレアチンキナーゼが高くなる原因としては、筋肉関係の病気、損傷が考えられます。
クレアチンキナーゼの男女別基準値は以下の通りです。
- 男性・・・60~250IU/L
- 女性・・・50~170IU/L
この基準値の上限付近から上限を超えるとクレアチンキナーゼが高いということになりますが、検査前に運動等を行っているとクレアチンキナーゼが高くなってしまい、正確な診断ができないこともあります。
特に体を動かす必要のある職業の方やスポーツやジョギングなどを趣味としている方は、健康診断を受けることで値が高くなってしまい、再検査すると異常が無い、なんてこともあるようです。
そのため、運動をよくする方で、クレアチンキナーゼが多少基準値より高い程度であれば、そこまで心配する必要はありません。
また、高コレステロール血症の治療薬の副作用でクレアチンキナーゼが高くなることもあるようです。
クレアチンキナーゼ(CK、CPK)が高いときに疑われる病気
このように、体の活動量と密接に関わり合っているクレアチンキナーゼですが、このクレアチンキナーゼが高いときに疑われる病気とはどのようなものなのでしょうか。
筋肉を動かすことでクレアチンキナーゼが高くなるため、まずは筋疾患、心筋梗塞、心筋炎など、筋肉が大きくかかわる部位の疾患が疑われます。
それ以外にはアルコール中毒、甲状腺機能低下症、脳血管障害といった一見筋肉とは関係がなさそうな病気が隠れていることもあるようです。
クレアチンキナーゼ(CK、CPK)を基準値にするために
健康であれば「運動しすぎた影響かな?」と思ってしまうクレアチンキナーゼですが、万が一ということもありますから一度再検査と言われたら素直に再検査を受けてください。
そして再検査を受けるまでの間には、クレアチンキナーゼを正常に計測するためにも、日常生活ではとにかく運動しないように心がけましょう。
一度上昇したクレアチンキナーゼは急激には下がらず、数日かけてゆっくりと下がっていきます。その間にまた激しい運動をして筋肉に損傷を受けると再び数値は上昇してしまいます。
毎日寝て過ごす、とまでは言いませんがゆったりとした気持ちで過ごすようにしましょう。
クレアチンキナーゼの値は運動量から判断しよう
クレアチンキナーゼは血液検査の前に少し運動しただけでも上昇してしまうとのことですから、一度の検査で引っかかってしまったとしても、そこまで深刻に悩む必要はなさそうです。
しかし、再検査までの間に運動をしていないのにも関わらず、クレアチンキナーゼの値が高いままという場合には、何らかの疾患が隠れている可能性がありますので、しっかりと精密検査を受けておきましょう。