胃のポリープが悪性の確率は?ポリープと「良性・悪性」腫瘍との違い

胃のポリープの良性・悪性

胃部健診で「胃のポリープの疑い」という検査結果を受け取る人が年々増えています。

胃のポリープが悪性腫瘍、すなわち胃癌である確率はどのくらいなのでしょうか。また、悪性化する可能性はあるのでしょうか。

良性腫瘍と悪性腫瘍の違いや、胃のポリープの種類なども併せて説明していますので、ぜひ参考にしてください。

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胃のポリープとは?

胃のポリープ
胃のポリープとは、胃にできる病変で、粘膜が局所的に隆起しているもの全般を指します。集団健診などでは、全体の5~10%に胃のポリープが見つかるとも言われています。

胃のポリープにはいくつかの種類があり、その形や色、大きさはさまざまです。また、良性の腫瘍もあれば、悪性の腫瘍もあります。

以前は、全ての胃のポリープは悪性化して胃癌になると考えられていたこともありましたが、現在は、悪性化するポリープの方がまれであることがわかり、ポリープが見つかっても、経過観察となる人が多くなってきました。

胃のポリープが悪性の確率は?

考える女性
胃のポリープは、良性腫瘍であることがほとんどで、悪性腫瘍である確率はかなり低いと言われています。

しかし、悪性腫瘍である確率や、今後悪性化する確率はゼロではないので、胃のポリープが見つかったら、早めに精密検査を受けることが大切です。

また、経過観察になった場合は、定期的な検査を確実に受けることも大切です。

ポリープは、検査結果が良性腫瘍であれば、切除しないことが多いですが、精密検査を受けても判断が難しい腫瘍の場合、もしくはサイズが大きいなど、癌化する可能性が大きい腫瘍の場合は、切除をすすめられることもあります。

>>胃のポリープの原因と症状

胃のポリープ、良性腫瘍、悪性腫瘍の違い

まるばつ
胃のポリープが良性腫瘍か悪性腫瘍かは、健康診断の検査結果を見ても判断が難しいため、良性・悪性の判断をするには精密検査が必要です。

また、元々良性腫瘍であったものが悪性化したとしても、自覚症状はほとんどないため、悪性化に気付くためには定期的に検査を受ける必要があります。

精密検査で判断できるポリープの違いは、以下の5種類に分類されます。

1.過形成ポリープ

過形成ポリープは30代以上の人に多いポリープです。また、年齢が高くなるほど患者数は増える傾向にあります。

大きさは、直径2~3cm程度で、垂直方向に成長します。表面は赤く、凹凸があり、いちごのような見た目です。

出血やびらんも多く見受けられ、症状が進むと貧血になることもあります。しかし、癌化する確率は1%程度と低く、基本的には良性腫瘍とされています。

2.胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープは、成人女性に多く発生するポリープで、その名の通り胃底腺にできるポリープです。

ポリポーシスと呼ばれる集合体を形成し、胃の中がいぼだらけに見えることもあります。表面が滑らかな2~3mmの半球状のポリープで、ピロリ菌のいないきれいな粘膜にできます。

良性腫瘍で、癌化することはほぼ無く、自然消滅することもあるポリープです。

3.腺腫

腺腫はどちらかというと男性に多く発生するポリープで、高齢者の萎縮した粘膜に発生することが多いです。

形はさまざまあり、ドーム型のもの、平たいもの、花壇状のものなどがあります。表面には、灰白色で規則的な凹凸があります。

腺腫は良性腫瘍ではありますが、胃癌と同様に腺にできるポリープなので、癌化しやすいポリープとも言われています。

4.特殊型ポリープ

胃のポリープは上記の3種類に分類されることがほとんどですが、まれに、特殊型ポリープと呼ばれる腫瘍もあります。

炎症性ポリープ

特殊型ポリープの中でも多いのが、炎症性ポリープです。慢性胃炎などの炎症により胃の粘膜に傷ができ、その傷を治すために粘膜組織が過剰生産されることによりできるポリープです。

皮膚に傷を負った際、皮膚が盛り上がって治癒していくのと同じような状況が、胃の中で起こっているのです。炎症性ポリープは良性腫瘍ですが、まれに癌化することがあります。

家族性ポリープ

特殊型ポリープの中で炎症性の次に多く見受けられるのが家族性ポリープです。家族性ポリープは、細胞の癌化を防ぐAPC遺伝子に変異が起こると発症する病気です。

親から子へ、50%の確率で遺伝すると言われていますが、家族性ポリープ患者の30%は遺伝ではなく新生突然変異によって発症したものと言われています。

10代からポリープができ始め、治療せずに放置していると、40代では50%、50代では100%癌化すると言われています。

5.ポリープ型の胃癌

胃のポリープは、基本的には良性腫瘍として扱われますが、まれに、ポリープ型の胃癌、すなわち悪性腫瘍のことがあります。

粘膜萎縮が強い胃に多く発生する傾向がありますが、初期症状があまりないため、健康診断や人間ドックなどにより発見され、精密検査を受けることで見つかることが多いです。

ポリープ型の胃癌は、早期がんと呼ばれ、悪性度も低いため殆どの場合は手術によって治ります。

精密検査と経過観察は必ず受けましょう!

胃のポリープは、良性腫瘍であることが多いですが、悪性腫瘍であっても、内視鏡で切除することが可能なため、その他の部位にできる悪性腫瘍の切除に比べると、体の負担も少なくて済みます。

胃のポリープがあると言われると、心配になってしまいますが、まずは精密検査を受け、医師の指示通り、定期的な検査を受けるようにしましょう。

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