健康診断で、胃ポリープの疑いがあると書かれていると不安になってしまいますよね・・・。
胃ポリープには、一体どのような症状があり、どういった治療を行う必要があるのでしょうか?
そんな胃にできるポリープの原因、症状、治療方法について紹介します。予防方法なども合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
胃のポリープとは?
胃のポリープとは、胃の粘膜上皮にできた隆起性病変のすべてを指し、日本消化器病学会では「胃粘膜上皮の異常増殖に基づく胃内腔に突出した病変」と定義されています。
胃のポリープには、「過形成性ポリープ」「胃底腺ポリープ」「腺腫性ポリープ」など、いくつかの種類があり、大きさや形態もさまざまです。
また、良性のポリープもありますが、悪性のポリープ、更には癌化するポリープもあるため、胃ポリープが見つかったら、要精密検査という検査結果が出ることがほとんどです。
胃のポリープの原因
胃のポリープは、30歳以上の人にできやすいことはわかっていますが、原因は明らかになっていないため、検査を受けても原因不明であることが多いです。
ただ、胃のポリープができる時は、胃の粘膜に炎症が起きていることが多いので、胃の粘膜の炎症を起こす原因が、胃のポリープができる原因であると捉えることもできます。
では、胃の粘膜の炎症を起こすものには、どのようなものがあるのでしょうか。
細菌やウイルスの感染
細菌やウイルスの感染により、胃のポリープができることがあります。
細菌感染では、ピロリ菌感染によるものが多く、ピロリ菌の除菌治療により、胃のポリープが消失することもあります。
薬剤
薬剤により、胃の炎症が起こることもあります。代表的なのは、非ステロイド性消炎鎮痛剤で、服用することにより、胃粘膜の合成力が低下し、胃の粘膜に炎症が起きることがあります。
薬剤で胃の調子が悪くなった場合は、できるだけ早く医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
喫煙
タバコを吸うと、胃の粘膜に張り巡らされた毛細血管の血流が悪くなるため、胃粘膜は酸欠状態になり、抵抗力が低下します。
喫煙習慣がある場合は、その状態が長く続くため、胃の粘膜は炎症を起こしやすくなります。
アルコール摂取
アルコールを摂取すると、胃の粘液が剥がれ、そこからアルコールが浸透し、胃酸が直接胃粘膜を刺激し、炎症を起こします。
胃のポリープができたときの症状
胃のポリープには、特有の自覚症状というものがありません。ただ、消化管出血や上腹部痛、胸焼け、しゃっくりなどの症状が出る人もいます。
消化管出血があると、貧血を起こすこともあるので、注意が必要です。
また、慢性胃炎を伴っている場合は、胃の不快感や食欲不振などの症状が悪化することがあります。
胃のポリープの治療方法
胃のポリープは、小さい場合は経過観察になり、6ヶ月、もしくは1年に1回程度検査を受けるよう指示されることがほとんどです。
サイズが大きいポリープ、出血性のポリープ、十二指腸への落ち込みがあるポリープ、癌の疑いが残るポリープは、内視鏡を使用して切除をすることもあります。
ただ、胃のポリープは、大きさや形態が変わることが多く、自然消失したり、ピロリ菌の除菌によって消失することもあります。
いずれも経過観察することが大切なので、必ず医師の指示に従うようにしましょう。
胃のポリープの予防方法
胃のポリープを予防するには、健康的な日常生活を送ることが有効です。
また、胃はストレス症状が出やすい臓器なので、普段からストレスを溜めないように気を付けることも大切です。具体的には、以下のようなことに気をつけましょう。
規則正しい生活をする
胃酸の分泌は、自律神経が調節しています。そのため、自律神経を整えることで、胃の調子も整います。
十分な睡眠をとること、また、1日3食決まった時間に食事を摂ることは、胃のポリープの予防にとても有効です。
暴飲暴食を避けてよく噛んで食べる
暴飲暴食は、胃にとってとても負担になります。
腹八分目で食事をやめられるよう、ゆっくりとよく噛んで、食べる習慣を身につけましょう。
また、食事をよく噛んで摂ることで、消化酵素がよく働き、胃への負担が軽減されます。
香辛料やアルコールなどの刺激物を控える
香辛料やアルコールは、胃に刺激を与え、炎症を起こしやすくなります。
アルコール度数の高いお酒を飲む際は、割って飲むようにしたり、おつまみを用意したりすると、多少刺激を減らすこともできます。
禁煙する
喫煙することにより、血流量が減るため、胃の抵抗力が落ちてしまいます。
喫煙習慣がある場合は、少しずつ本数を減らして、禁煙を目指しましょう。
適度な運動を心がける
適度な運動は、自律神経を整えるのに欠かせません。
週に1、2日でも構わないので、軽く運動するように心がけましょう。
胃炎がある場合は適切な治療を受ける
胃炎がある人は、胃のポリープもできやすい状態です。
胃炎の自覚症状がある場合は、早めに胃炎の治療を受けることで、胃のポリープの発生を防ぐことができます。
定期的に健診を受ける
胃のポリープは、自覚症状がないので、定期的に健診を受けることがとても大切です。
言い換えれば、早期発見をするためには健診を受けるしかありません。30歳以上の人は、最低でも1年に1回は胃部健診を受けるようにしましょう。
まずは精密検査を!
胃のポリープは、良性の物が多く、万が一切除が必要になっても、内視鏡による切除なので、体の負担が少なくて済みます。
ポリープが見つかると不安になってしまいますが、早期発見、早期治療により、癌化も防ぐことができる場合が多いので、まずは精密検査を受けて、ポリープの状態を確認するようにしましょう。