空腹時の血糖値が高い理由は?原因を知って正常値まで下げる!

血糖値

健康な人の場合、食事によって血糖値が上昇しても徐々に数値は下がり、数時間の間に正常値に戻ります。

しかし、食生活の乱れや疾患によりそのサイクルが乱れ、空腹時も血糖値が高い状態が続く場合があります。

そんな空腹時の血糖値が高い具体的な原因や、対処法についてご紹介しますので、血糖値が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

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食事で上がった血糖値が下がる仕組み

上がった血糖値が下がる仕組み
食事で摂取した糖質は、ブドウ糖に分解され血糖として血液中に流れます。健康な人の場合は、膵臓のランゲルハンス島にあるベータ細胞が血糖の量が増えたことを感知し、インスリンを分泌させます。

そうすると血糖はインスリンにより様々な臓器へと運ばれ、エネルギーとして利用されたり、たんぱく質を合成したり、細胞の増殖を促すなどの働きをします。

体中の様々な部分で血糖は使われていくことで、血液中の血糖の量は食後数時間で食前の状態へと戻ります。

しかし、体に不調があると、この仕組みがうまく働かなくなり、空腹時も血糖値が高い状態が続くようになります。

空腹時の血糖値が高くなる理由

nasubatu
空腹時の血糖値とは、食後5時間以上経ってから測定した血糖値のことです。

健康な人の場合、血糖が筋肉や様々な臓器で使用されることで、食後5時間後には血糖値が食前の状態まで戻ります。

しかし、以下のような理由で血糖値が高い状態が空腹時も続く場合があります。

インスリン抵抗性によるもの

インスリン抵抗性とは、インスリンが効きにくくなってしまった状態を指します。

インスリン抵抗性が生じると、膵臓がインスリンを分泌しても、平常時の様に血糖値を下げることができません。

さらに、この状態が続くと血糖値を下げるためにインスリンを過剰に分泌するため、膵臓が疲弊してしまい、最終的にはインスリンの分泌量も低下してしまいます。

インスリン抵抗性を生じる主な原因としては、脂質の多い食事の摂りすぎや肥満によって体内の中性脂肪が増えること、また、喫煙により、インスリンの働きを助けるアディポネクチンというホルモンが減少することが挙げられます。

インスリンの分泌が間に合わない

食後、膵臓ではインスリンの分泌が始まりますが、糖質の多い食事を食べすぎたり飲酒をした後は血糖の量が通常よりも多くなり、その結果インスリンの分泌が間に合わず、血糖値がなかなか下がらない状態になります。

血糖値に関わる疾患がある

インスリンを分泌する膵臓や、血液内に残った余分な血糖をグリコーゲンとして貯蔵する肝臓に疾患がある場合、食後も血糖値が上手く下がらず、空腹時も血糖値が高い状態が続きます。

また、クッシング病や甲状腺機能亢進症などの内分泌系疾患でも血糖値が高くなる場合があります。

ストレスが多い生活をしている

ストレスにより交感神経が刺激されると、神経を集中させたり、脳の働きを活発にしようと血糖値を高くするホルモンが分泌されます。

一時的なものなら問題ないのですが、常にストレスを感じている場合は、血糖値が高い状態が食後、空腹時に関わらずずっと続いてしまいます。

遺伝による体質

家族に糖尿病など血糖値が高くなりやすい体質の人がいる場合、その体質が遺伝していることがあります。

空腹時の血糖値を食事の改善によって下げる方法

糖質制限
空腹時の血糖値は、食生活の影響を大きく受けます。そのため、食生活を改善することによって、血糖値を正常値に近づけることができる場合があります。

適度なカロリーを摂取する

まずは、自分に必要な摂取カロリーを知りましょう。1日に必要な摂取カロリーは計算で求めることができます。

以下の計算式で出た「1日に必要な摂取カロリー」を大幅に超えることないように、食生活に気をつけましょう。

1.標準体重から「基礎代謝量」を計算

まずは標準体重を計算しましょう。

標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

続いて、基礎代謝量を計算します。

基礎代謝量(kcal/日)=標準体重(kg)×基礎代謝基準値(kcal)

基礎代謝基準値は以下の通りです。

  • 30~49歳:男性22.3kcal 女性21.7kcal
  • 50~69歳:男性21.5kcal 女性20.7kcal

2.基礎代謝量か「1日に必要な摂取カロリー」を計算

基礎代謝量がわかれば、1日に必要な摂取カロリーもわかります。

1日に必要な摂取カロリー(kcal)=基礎代謝量(kcal)×身体活動レベル

身体活動レベルの数値は18~69歳では以下の通りです。

  • レベル1(動くことが少ない):1.50
  • レベル2(仕事はデスクワーク中心、買い物や家事、軽いスポーツをしている):1.75
  • レベル3(立ち仕事でよく動く、肉体労働や激しいスポーツを行うことがある):2.00

食事のメニューを見直す

血糖値を下げるためには、カロリーを抑えるだけではなく、栄養バランスも考える必要があります。

糖質の多い食品は適量にし、食べ過ぎないように気をつけましょう。

また、血糖値が高い人はミネラル不足になっていることが多いので、ミネラルを積極的に摂ることも大切です。

糖質が多い食品ミネラルが多い食品
・米
・小麦粉を使用した食品(パン・麺類など)
・芋類
・甘い野菜類(にんじん・かぼちゃなど)
・海藻類
・キノコ類
・納豆
・魚介類
・雑穀

他には、外食時には洋食よりも品数の多い和食を選ぶ、丼物を避けるようにする、1食食べ過ぎたら他の食事は控えるなど食生活を改善することも大切です。

小さなことではありますが、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維がバランスよく摂れるように心がけることを習慣にしましょう。

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食事の摂り方を改善する

食事の摂り方を変えるだけでも、血糖値を改善することがあります。

ゆっくりよく噛んで食べることを心がけると満腹感を得やすく、結果的に摂取カロリーを抑えることができます。

また、キノコ類や海藻類、野菜を先に食べることで糖質の吸収スピードを抑え、急激に血糖値を上昇させることを防ぐこともできます。

空腹時の血糖値を下げるには運動も効果的

女性汗
運動をすると、エネルギーとして使用する血糖の量が増えるので、結果的に血液中の血糖値を早く下げることにつながります。

また、空腹時血糖値を上げる肥満の予防にもつながります。

有酸素運動を心掛ける

空腹時の血糖値を効率よく下げるためには食後30分~2時間の間に20分程度、ウォーキングやサイクリング、スイミングなど、息が少し荒くなる程度の運動(有酸素運動)を行うことが有効です。

毎日運動することが難しかったり、食後に運動する時間がない方も多いと思います。

そんな時は、通勤時や買い物のときなどにできるだけ歩くようにする、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使用するなど、日常生活の中で少しでも動く時間を増やすだけでも効果があるので、無理のない程度にチャレンジしてみてください。

空腹時の血糖値を下げるには継続的な日常生活の見直しを!

食事や運動により、空腹時の血糖値を下げることができますが、その時だけでは意味がありません。

体調や気分によって食べ過ぎてしまったり、運動ができない日もあるかもしれませんが、その翌日は血糖値を下げる生活に戻し、継続していくことが大切です。

空腹時の血糖値を下げる生活は、健康な人にとっても理想的な生活です。家族や友達に協力してもらい、一緒に取り組むのもおすすめですよ。

1日でも早く正常値になるように、毎日コツコツ血糖値を下げる生活を続けていきましょう。

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