胸部レントゲン(胸部X線)で見つかる「肺の白い影」からわかる病気

レントゲンの白い影2

胸部レントゲン検査は、自覚症状が少ないと言われている肺の病気まで発見することができます。

今回は、胸部レントゲンで肺に白い影が写ることでわかる病気をまとめました。

また、レントゲンで白い影が写った場合に追加で受けることになる検査についてもご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

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レントゲンで写る白い影はどんなもの?

レントゲンの白い影
レントゲンは、X線の透過性を利用して、体内の構造を観察する検査で、胸部レントゲンの場合、健康な人なら、骨や心臓が白い影として写ります。

しかし、何か病気がある場合は、骨や心臓に加えて、腫瘍や水が白い影として写ります。

白い影には、はっきりと輪郭があるものから、ぼんやりとしたもの、大きさや形状もさまざまなものがあります。

白い影からわかる病気

肺の病気
胸部レントゲンで白い影が写った場合、さまざまな病気が疑われます。

胸部レントゲンだけでははっきりとした病名はわかりませんが、主に以下のような病気の恐れがあると言われています。

肺がん

肺がんは、咳や呼吸困難、体重減少、血痰、胸痛などの症状があります。

ただ、初期にはあまり重い症状は現れないため、軽い病気と思い、適切な検査や治療を受けない方も多いです。

そのため、胸部レントゲンは、肺がんの早期発見において、大きな役割を担っています。

肺結核

肺結核は、肺が結核菌に感染することで発病します。発熱や寝汗、咳や痰、血痰、倦怠感、体重減少などの症状が出ることがあります。

また、痰には結核菌が含まれているので、咳をすると他人にうつしてしまう可能性があります。2週間以上続く咳がある場合は、特に注意が必要です。

肺真菌症

真菌と呼ばれる、空気中に含まれるカビにより感染する病気で、抵抗力が落ちている人の発症率が高いです。

発熱や咳、痰、血痰、倦怠感、呼吸困難など、結核と症状が似ているため、見極めが難しい病気でもあり、注意が必要です。

非結核性抗酸菌症

空気中に漂っている、非結核性抗酸菌を吸い込むことで感染する病気で、年々感染者数が増加数傾向にあり、10年以上かけて、ゆっくり病状が進行するという特徴があります。

病気が進行すると、咳や痰、血痰、倦怠感、発熱、寝汗、体重減少などの症状が出ます。

ただ、人から人に感染することはなく、症状がない場合は治療をしない場合もあります。

肺気腫(COPD)

肺気腫は、喫煙等で肺の組織が破壊されてしまう病気です。肺が傷つくと、気管支が狭くなり、咳が長く続いたり、一日中痰が絡んだり、息切れしやすくなります。

いずれも症状がゆっくりと進行するので、初期に気づきにくく、気づかない間にかなり病気が進行してしまうこともあります。

病気が悪化すると、骨粗しょう症や心疾患、血管障害、消化器障害、筋障害など、全身に障害が出現するので、早めに対策を行うことが大切です。

肺気腫で傷ついた肺は、元に戻ることはありませんので、肺の病気の中でも、特に早期発見が望ましい病気です。

慢性気管支炎

慢性気管支炎は、感染症の他にも、副鼻腔炎やアレルギー、喫煙などによって発症することがあり、比較的身近な病気です。

白い影が写ったら早めに受診を!

女性看護師
胸部レントゲンで白い影が写ったら、不安になりますよね。しかし、白い影が写っても、「異常なし」「治療は不要」と言われる人が4割程度もいるそうです。

もし病気だった場合でも、早期発見は早期治療につながります。

白い影が写ったら、まずはできるだけ早く医療機関を受診し、白い影の正体が病気によるものなのかどうか、はっきりさせましょう。

白い影が写った時に受ける精密検査

肺のct検査
白い影が写ったら、更に精密な検査を受けることになります。

精密検査を受けることで、白い影の正体を特定し、適切な治療を受けることができるようになるので、できるだけ早く、医療機関を受診するようにしましょう。

医療機関では、次のような検査を受けることになります。

CTやMRI

胸部レントゲンで白い影があった場合は、ほとんどの場合、CTやMRIで更に影の詳細を調べます。

ただ、画像だけではわからない部分もあるため、その他の検査も追加で行います。

喀痰検査

喀痰検査とは、痰の検査で、呼吸器系の病気の診断に欠かせない検査です。

痰は呼吸器の粘膜の分泌物で、肺や気管支の細胞やウイルス、細菌なども含まれています。

そのため、痰を調べることで、呼吸器の状態や感染症の種類、がん細胞の有無を知ることができます。

気管支鏡検査

気管支鏡検査は、電子スコープやファイバースコープなどを使って、気管支の状態を観察したり、組織や細胞を採取して検査します。

胸腔鏡検査

胸腔鏡検査は、気管支鏡検査で十分な検査結果が得られなかった場合に行われます。

皮膚を切開し、そこから胸腔鏡や器具を入れ、組織を採取するため、外科手術とされます。

血液検査

肺がんが疑われる場合、血液検査を行い、腫瘍マーカーと呼ばれる、がんが作り出す特徴的な物質の有無を調べます。

血液検査を行うことにより、がんの進行度なども知ることができます。

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