血液検査でCRPが低い・低すぎるとどうなる?長生きとCRPとの関係

crpが低い

血液検査の項目で「CRP」という項目があります。近年では、長生きと関係していると発表され、話題にもなっている数値です。

CRPは体内の炎症を調べる際に役に立ち、高い場合はあらゆる疾患が疑われます。一方で、CRPが低すぎる場合は、体にとって何か悪影響はあるのでしょうか?

今回は、CRPが低いとどうなるのか?CRPと長生きの間に一体どんな関係があるのか?順に解説していきます。

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CRPとは?

CRPとは「C-reactive protein(C反応性たんぱく)」のことで、その量を調べることにより、炎症や感染症の有無がわかります。

通常、血液中にはごくわずかしか含まれておらず、正常値は0.3mg/dl以下です。

しかし、細菌やウイルスに感染したり、怪我を負って、組織や細胞が破壊されるとCRPが肝臓で生産され、血液中のCRPが増えます。

そのため、CRPの数値が高く外傷がない場合は、何かしらの疾患が疑われます。

CRPの数値が低いとどうなる?

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CRPの数値が0.3mg/dl未満の場合は、体内に特に目立った炎症はなく、健康であるということになりますが、0.1mg/dl未満など、低すぎると心配になる方もいるかもしれません。

しかし、CRPは炎症を示す数値なので、低すぎるということは言いかえれば「健康すぎる」くらいなので、今後も低い数値を維持できるよう、健康的な生活を続けてください。

ただし、健康診断でCRPが基準値以下でも、「慢性炎症」が隠れていることがあり、それが大きく寿命に関わるということが近年明らかになってきました。

寿命に関わる「慢性炎症」とは?

加齢
慢性炎症とは、痛みや熱などの自覚症状はない炎症が、慢性的に続くことを言います。

慢性炎症は、自覚症状がほとんど無いか、あってもあまり気にならない程度なので、病院を受診したり、薬を飲んだりしない人が多いのが現状です。

しかし、その間にも血管や臓器の細胞は少しずつ傷つけられ、その結果、動脈硬化などになってしまい、死に至ることもあるのです。

慢性炎症の原因

慢性炎症は、老化やストレス、喫煙や飲酒、高血糖などの生活習慣の乱れにより発症します。

また、肥満でも発症することがわかっています。肥満が原因の場合は、脂肪細胞を敵とみなした免疫細胞が、脂肪細胞を追い出そうとして慢性炎症を引き起こします。

皮下脂肪より内臓脂肪の方が炎症を引き起こすリスクが高い傾向にあります。

慢性炎症の診断

慢性炎症は、通常のCRP検査では発見できない場合もあるため、正確に検査するためには、より細かい数値が分かる「高感度CRP検査」が必要になってきます。

「高感度CRP検査」は、今まで見逃しがちだった弱い炎症も測定できるため、慢性炎症の発見に大いに役立ちます。

高感度CRP検査が長生きにつながる

長生き
慢性炎症は、患者自身が発症していることに気づかないことが多いため、その間にどんどん病状が進行していってしまいます。

そして、症状に気づいて医療機関を受診した時には、既に重症化してしまっている可能性があるのです。

つまり、高感度CRP検査を定期的に受け、慢性炎症を見逃さずにきちんと治療をすることが、そういった病気に罹る確率を下げ、健康に長生きすることにつながるのです。

CRPの数値が基準値より高い場合はどうする?

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CRPの検査は、軽度の炎症から重篤な炎症まで、あらゆる炎症を知らせてくれる、とても重要な検査です。

では、CRPの数値によりどんなことがわかるのか見ていきましょう。

CRPの数値がやや高い(0.4~0.9mg/dl)

軽度の炎症が起こっている可能性が高いです。風邪やストレスによる心身症、虫歯や、転倒によって怪我を負った時などにもこの程度の数値が出るため、あまり心配はいりません。

ただ、CRPの数値は徐々に上昇する傾向があるので、気になる症状がある場合は、再検査を受けることをおすすめします。

また、「慢性炎症」の疑いもあるので、身体の異常が続く場合も再検査を受けるようにしましょう。

CRPの数値が高い(1.0~2.0mg/dl)

ウイルス感染症が疑われますが、少し重い風邪や、重いやけどを負ったときにも、この程度の数値が出ることがあります。

原因となっている疾患や外傷に対して適切な治療をすることで、比較的速やかに正常値に戻るので、早めに医療機関を受診しましょう。

CRPの数値がとても高い(2.1~15.0mg/dl)

重い疾病や外傷があることを示しています。

細菌感染症や重度の外傷などの場合が多いですが、糖尿病の場合もこれくらいの数値が出ることがあります。

早急に医療機関にかかって、原因を明らかにしましょう。

CRPの数値が非常に高い(15.1~20.0mg/dl)

重篤な疾患が発症している可能性が高くなります。

悪性リンパ腫や肺炎、リウマチ、腫瘍などが疑われるので、早急に精密検査を受けましょう。

低いCRPの数値を保って長生きを!

CRPの数値と長生きの関係は、更に詳しい研究が進められていますが、とても興味深いですよね。

CRPの数値が正常値の0.3mg/dlを超えている場合は、慢性炎症の可能性もあるので、継続的に数値を観察するようにしましょう。

なお、CRPは大抵の医療機関で調べることができますが、高感度CRP検査は取り入れていない医療機関もあります。

高感度CRP検査を希望する方は、事前に医療機関に問い合わせをしてみることをおすすめします。

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