エコー/CT検査の所見で腎血管筋脂肪腫の疑い!?原因と治療法は?

Stomach ache

腎血管筋脂肪腫はエコー検査やCT検査により見つかる腫瘍です。

基本的は無害な良性腫瘍ですが、大きくなると破裂する恐れもあるため、早急な治療が必要になる場合もあります。

そこで今回は、腎血管筋脂肪腫が発生する原因や、治療法についてまとめてみたので、腎血管筋脂肪腫について気になる方は参考にしてください。

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腎血管筋脂肪腫とは?

腎血管筋脂肪腫とは、その名の通り、腎臓にできる血管と筋肉と脂肪が主な構成要素となる腫瘍で、「腎AML(エーエムエル)」と呼ばれることもあります。

10代半ばから35歳ごろ発生することが多く、比較的女性に多く発生します。

腎血管筋脂肪腫は、通常、健康診断の腹部エコー検査やCT検査で見つかることが多い良性腫瘍です。

ただし、腫瘍の大きさが4cm以上の場合は、良性腫瘍とはいえ、治療が必要になることもあります。

また、極まれに、悪性転化することもあるため、一度腎血管筋脂肪腫が見つかったら、その後も定期的に腹部エコー検査やCT検査を受け、経過を観察していくことが大切です。

腎血管筋脂肪腫の症状

腰を触る
腎血管筋脂肪腫は、良性の腫瘍なので、通常自覚症状は現れません。ただし、腫瘍が4cmを超えて大きくなってくると出血し、腹痛や血尿、高血圧などの症状が出て、最終的に自然破裂する恐れもあります。

また、腰のあたりを触ると、腫瘍のある場所がこぶのように膨らんでいることに気づくこともあります。

いずれも意識しないと気づきにくい症状なので、そういった意味でも、経過観察が非常に重要です。

腎血管筋脂肪腫の原因

病気の原因
腎血管筋脂肪腫が発生しても、全体の約80%は単発的に発生するもので、その多くが原因不明です。

しかし、残りの約20%は難病指定されている結節性硬化症の合併症として発生します。

結節性硬化症とは?

結節性硬化症は、難病指定されている遺伝子の病気で、15000人に1人の割合で発病すると言われています。

結節性硬化症になると、皮膚や神経、腎臓、肺、骨など全身のあらゆる場所に、過誤腫と呼ばれる良性腫瘍や、過誤組織と呼ばれる病変ができ、約80%の患者に腎血管筋脂肪腫ができると言われています。

結節性硬化症の症状は、胎児期からありますが、腎血管筋脂肪腫ができるのは少年期以降が多いです。

腎血管筋脂肪腫の治療方法

治療
腎血管筋脂肪腫は、経過観察をすることが多いですが、4cm以上になると急激に成長し、自然破裂してしまうこともあります。

自然破裂してしまうと、最悪の場合、出血性ショック死に至る危険性があるため、できるだけ早く治療を行います。治療方法は、以下の3通りあります。

腎動脈塞栓術

腎動脈塞栓術とは、カテーテルを用いた治療で、腎血管筋脂肪腫の治療で最も一般的な治療です。

腎血管筋脂肪腫に栄養を送る腎臓の血管に栓をし、腫瘍を縮小させる治療法ですが、小さな腫瘍の場合は消失することもあります。

体への負担が少ないですが、まれに副反応として痛みや発熱などが出ることもあります。

腎部分切除術

外科的手術により、腎臓から腎血管筋脂肪腫を切り取ります。

腎動脈塞栓術とは異なり、腫瘍を完全に取り除くことができるというメリットがあります。

ただし、開腹手術の為、体への負担は免れません。また、まれに腎臓の機能が低下することもあります。

薬物療法

mTOR(エムトール)阻害薬を服用することで、腎血管筋脂肪腫を小さくする治療法です。

2012年に認められた治療法で、現在は結節性硬化症の合併症の場合のみ、利用できる治療法です。

薬を服用するだけなので、体や生活への負担が少なく済みますが、口内炎や感染症、呼吸困難などの副作用が生じることがあるので、注意が必要です。

腎血管筋脂肪腫と腎がんの判別

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エコー検査などで腎臓に腫瘍が見つかっても、すぐに腎血管脂肪腫のような良性腫瘍か、腎がんなどの悪性腫瘍か見分けることは困難です。

そのため、MRIなどで腫瘍を構成している成分を確認することになります。

通常、脂肪成分が確認されれば、腎血管筋脂肪腫と判断されますが、腎血管筋脂肪腫でも、血管が目立っている腫瘍の場合は、脂肪成分が確認しづらいことがあります。

そういった腫瘍は腎がんの腫瘍との区別が非常に困難なため、腫瘍のサイズが小さくても、腎がんであることを想定して、手術により摘出することもあります。

腎血管筋脂肪腫は経過観察が肝心

腎血管筋脂肪腫は、一度発生すると、自然に消失することはありません。また、いつ大きく成長するかもわかりません。

そのため、一度でも腎血管筋脂肪腫の存在が確認されたら、定期的にエコー検査やCT検査を受け、大きさを観察していくことが重要になります。

また、もし気になる症状がある場合は、早めに検査を受けることも大切です。

良性腫瘍とはいえ、自然破裂すれば命に危険を及ぼします。破裂してしまう前に治療を行えるよう、医師から指示は必ず守り、しっかり腫瘍と向き合っていきましょう。

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