血圧の上が高い時には「塩分控えなきゃなぁ」と思うものですが、下の血圧だけ高いときにはどう対処するべきか、それを知っている人は少ないようです。
血圧の下が高いとき、体にはどのような変化が起き、放置することで将来体にはどのような影響が出るのでしょうか。
今回は、上は正常値なのに下の血圧(最低血圧)だけが高いとどうなるのか、そしてその原因と改善方法について解説していきます。
そもそも血圧の上と下って何?
血圧の「上」と「下」は、血圧を計測したときの「最高血圧」と「最低血圧」のことを示しています。
しかしそもそも、血圧の上と下とは何を指しているのでしょうか。
血圧の意味
全身に血液を巡らせる為の臓器といえば、「心臓」ですね。心臓はポンプの役割を持っており、絶え間なく収縮・拡張し血液を全身に送り込んでいます。
心臓は、血液を送り出すときには小さく縮み、心臓に戻ってくる血液を受け入れるときには大きく広がります。
血圧を調べることで、この心臓の動きに合わせて送り出される血液と戻ってくる血液が、血管にどれほどの圧力をかけているのかが解るのです。
血圧の上と下について
心臓が収縮して血液を全身に送るときに、血管には一番圧力がかかります。これが「最高血圧」、つまり血圧の上です。
一方、戻ってきた血液を受け入れ心臓が広がるときに血圧は最も低くなります。これが「最低血圧」、血圧の下です。
血圧の上と下両方高いときの原因
高血圧と判断される数値は、病院で計測したときで140/90mmHg以上、自宅で計測したときには135/85mmHgです。
血圧の上と下が両方これ以上の数値の時には、次のような原因が考えられます。
- 遺伝によるもの
- 生活習慣によるもの
- 腎性高血圧
- 内分泌性高血圧
- 血管性高血圧
- 薬剤誘発性高血圧
一般的に血圧が高くなるのは「遺伝」や「生活習慣」によるものが大きいようです。病気による高血圧は、原因となる病気を特定し治療する必要があります。
血圧の下だけ高い時の原因は?
一方で血圧の下だけ高い時には、「血圧が一番下がるべき時に下がらなかった」ことを示しています。
その原因は「血管の柔軟性が失われていている」ことにあり、これを放置していると徐々に血管は硬くなっていきます。
血管が硬くなると「動脈硬化」が進み、脳卒中や心筋梗塞など「突然死のリスク」が上がってしまうので軽視できません。
血圧の下だけ高くなる、その原因は次の3つです。
- 塩分と脂質の多い食生活
- 運動不足
- 喫煙
血圧の下だけ高くなる原因は、毎日の生活にあるんですね。
血圧の下の数値を改善する方法とは
このように血圧の下だけ高くなってしまうのは「生活習慣」が原因ですから、数値を改善するためには毎日の努力が必要不可欠となります。
少し面倒に思うかもしれませんが、健康な体を維持するために次の方法を試してみてください。
1. 禁煙する
たばこが体に悪いことは皆知っていますが、血管の年齢を衰えさせるということまで知っている人は少ないようです。たばこを吸うと血管は収縮し、徐々に柔軟性を失います。
喫煙を続けることで血管年齢も実年齢より老けていき、動脈硬化を引き起こしやすくなってしまうのです。
たばこは百害あって一利なし!まずは禁煙外来で禁煙の相談をしてみましょう。
2. ヘルシーな食生活を心がける
塩分と脂質を控え、ヘルシーな食生活を心がけましょう。
お昼のカップ麺はやめてサラダ麺にしてみたり、食後のおやつを極力やめる等、毎日の食事を見直してみてください。
糖尿病食のレシピ本を購入し食事の参考にしましょう。
3. 運動する
体の健康のためには、やはり運動は必要不可欠です。
毎日体を動かす習慣をつけると、血圧だけではなく様々な病気を予防してくれます。
特に下半身に筋肉をつけることが大切だと言われていますので、ウォーキングやサイクリングなどを楽しみながらやってみてください。
4. サプリメントを使う
食事制限や運動は、そうそう簡単にできることじゃありませんよね・・・。そんな時には、手軽に摂れるサプリメントに頼るのも悪ことじゃありません。
無理に生活を改善しようとして、結局何もできなかったら元も子もありませんからね。できることから始めるのが大切です。
5. 病院も大切
健康を守るためには、定期的な健康診断は欠かせません。
血圧の異常から他の病気が見つかることもありますし、下の血圧が改善されるまでは定期的に病院で健康診断を受けるようにしましょう。
血管の健康を守って血圧を下げよう!
血圧の下が高いのは血管のしなやかさが失われているのが原因ですから、これを放置していると将来的には上の血圧も上がり、立派な高血圧になってしまうことが考えられます。
結局、血圧は上と下のどちらが高くても動脈硬化から脳卒中、心筋梗塞といった突然死のリスクを上げてしまいます。
毎日の習慣で血管の健康を守り血圧を下げ、不安のない毎日を過ごせるように努力していきましょう。