年齢と共に気になる「血圧の変化」について、あなたはどのぐらいの知識を持っていますか?
血圧を測定し上が基準値以上だから高血圧だった、という判断ぐらいしか素人にはできませんが、血圧の上と下の差(脈圧)がどのくらいなのかを知ることも、血圧を測る上では大切な要素です。
今回は、上の血圧と下の血圧の差がないとどうなるのか、脈圧が小さい原因と改善法についてご紹介します。
脈圧とは?
脈圧とは、血圧の上「最大血圧」と血圧の下「最小血圧」の差のことを言います。
血圧を測定し上はいくつで下はいくつ、だから高血圧または低血圧であるという考えから一歩進み、「上と下の血圧の差」つまり「脈圧」が大きいか小さいかという部分まで見てみると、一見正常な血圧であっても「体の異常」を発見できることがあります。
脈圧の正常値は、最高血圧から最低血圧を引いたときの数値が「30~50mmHg」ですので、その差が30mmHg以下の方は病院での治療が必要になる場合もあるようです。
上と下の血圧の差が小さいときの原因は?
では具体的に、脈圧が小さいときにはどのような原因が考えられるのでしょうか。
脈圧が小さいときには、「最高血圧が低いのか」「最低血圧が高いのか」によって疑われる原因が異なります。
最高血圧が低く脈圧が小さい時には、低血圧に加え交感神経が活発になっている、つまりストレスが大きくかかっていることが原因と考えられます。
そして最高血圧が正常で最低血圧が高くなっているときには「高血圧」が原因です。
特に最低血圧が100mmHgを超える場合には要注意、さらに130mmHgを超えるときにはすぐに病院での治療が必要になります。
上と下の血圧の差がない時の症状
では最高血圧と最低血圧の差がないときにはどのような症状があらわれるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
低血圧が原因の時の症状
上の血圧が低くて脈圧が小さくなっている時には、強い疲労感を感じたり、心臓が苦しくなったりといった症状があらわれます。
もともと低血圧の方が、息苦しく感じ動くのも一苦労、といったような辛い症状があらわれた時には、脈圧が小さくなっている可能性があります。
特にストレスを感じることによって最低血圧が上がり、脈圧はさらに小さくなりますので注意してください。
高血圧が原因の時の症状
下の血圧の値が高く、高血圧が原因で脈圧が小さくなっている時には、心臓や腎臓、脳などにまで深刻な症状が及ぶこともあります。
高血圧の初期段階では手足のしびれやむくみ、耳鳴り、のぼせや肩こりといった症状が現れるでしょう。
脈圧を正常にするための方法とは
脈圧の差が小さくなると、様々な症状に悩まされることが解りました。
特に高血圧が原因の場合には、最終的に命にかかわることもありますので、脈圧を正常にするために日頃から次の3つのことを心がけて生活しましょう。
1.ミネラルをたっぷり摂る
高血圧のときは、塩分排出の為にカリウム、マグネシウム、カルシウムを意識して摂取しましょう。
カリウムは体内の余分な水分を排出し、カルシウムは塩分の再吸収を妨げ体外に排出するサポートをしてくれます。
普段からナッツ類、小魚、チーズ、海藻類をよく食べるようにしましょう。
2.良質な睡眠
低血圧の方も高血圧の方も、「ぐっすりよく眠る」ことが大切です。
睡眠不足は交感神経を優位にし、交感神経が活発になると常に神経が高ぶっている状態になります。すると血管が収縮し、脈圧はさらに小さくなっていくのです。
脈圧を正常にするためには、毎日深く長い良質な睡眠をとる必要があります。睡眠前にホットミルクを飲んだり、アイマスクなどをして明かりを遮断しゆっくり眠りましょう。
3.アロマでリラックス
脈圧を正常にするために、毎日一度はリラックスできる時間を確保してみてください。おすすめなのは「お風呂上りにアロマを焚く」ことです。
アロマ初心者でも心地よい香りなのは、ラベンダーやオレンジスィート、ゼラニウムといったアロマオイルです。
お気に入りの香りを見つけて、神経を鎮めてリラックスしましょう。出勤前の緊張状態の時にもおすすめです。
血圧を測ったら脈圧も確認しよう
血圧の差、つまり脈圧は自分の体調を知る上で大切な要素になります。
「今日はなんだか心臓が苦しいなぁ」という日が増えてしまったら、毎日血圧を測定し脈圧も見てみましょう。
最低血圧が異常に高く脈圧が小さいときには、すぐに治療が必要なこともあります。脈圧が気になる方は、かかりつけの医師に相談してみましょう。