主に膵臓から分泌される消化酵素の一種である「アミラーゼ」。検査によりこの数値を調べることで膵臓に異常がないかどうかを調べることができます。
今回は、膵機能の指標となるアミラーゼ(AMY)が高値になる原因と数値を低下させるための食事について解説していきます。
目次
アミラーゼ(AMY)の正常値は?
まずはアミラーゼの正常値を見てみましょう。
- 血清アミラーゼの正常範囲・・・40~132IU/l
- 尿アミラーゼの正常範囲・・・100~1100IU/l
もし血液や尿検査の結果、アミラーゼ(AMY)の数値が高いとしたら膵臓に何らかの異常が出ている証拠かもしれません。
アミラーゼ(AMY)の数値が高くなる原因とは?
アミラーゼは冒頭でもお話した通り消化酵素の一種であり、アミラーゼが正常に働くことで摂取した食べ物を分解し栄養を吸収することができます。
通常、アミラーゼは肝臓等で処理され尿から排出されていくため、血液中には少量しか存在していません。
しかし、このアミラーゼの数値が高い時は「栄養吸収ができていない」、「アミラーゼによる代謝が正常ではない」といった原因が考えられます。
アミラーゼが高いときにはこんな病気の可能性も
そもそも、血清アミラーゼ検査が行われるのは膵臓疾患の可能性がある場合です。
血清アミラーゼが高いと急性膵炎、膵臓損傷、慢性膵炎などの膵臓疾患であることが考えられるようです。
膵臓以外の疾患としては唾液腺炎、腸閉塞、マクロアミラーゼ血症、各種がんなどの可能性もあります。
アミラーゼが高値で膵臓が悪くなるとどんな症状がある?
ではアミラーゼの数値が高く、それが膵臓疾患を原因としている場合にはどのような症状があらわれるのでしょうか?
膵臓が悪いときにみられる共通の症状
膵臓が悪くなると、共通する症状はみぞおちあたりの痛みです。
胃の上部から痛みが始まり、悪化すると背中や腰の方まで痛みが広がっていくこともあります。
膵臓はその働きから、食事後にこの痛みが起こることがほとんどです。
そのほかには発熱、吐き気、食欲不振、常におなかが膨らんでいるような膨満感などが挙げられます。
膵臓がんの症状は分からない?
がんの中でも完治しにくく、初期段階での発見が難しいとされる膵臓がん。
膵臓にがんが見つかった段階ですでに進行しているため致死率も高いがんですから、できれば早期発見できるように初期症状や特有の症状は覚えておきたいですよね。
しかし残念ながら、膵臓がんになっても初期段階では自覚できるような異常はあらわれません。そして「これがあれば膵臓がん」、というような特有の症状もありません。
膵炎と同じように腹部や背中の痛み、そして体重の減少によって病院にかかるころには既にがんは進行していることがほとんどのようです。
アミラーゼを下げる食事法は?
膵臓は体にとって重要な役割を持つ臓器ですから、検査でアミラーゼが高値であった場合には、積極的にアミラーゼを下げるように生活していきたいですよね。
膵臓は食物を分解する作用を持っていますから、アミラーゼを下げたいのであれば食事内容に気を付けてみるのはとてもいい方法です。膵臓にやさしい食事法を見てみましょう。
アルコールの摂取は最小限で!
膵臓が悪くなる原因の多くはアルコールにあると言われています。
膵臓に不安がある方、アミラーゼが高値だった方はできればアルコールは一切やめてしまいたいところです。
しかしアルコールが大好きでやめられないという方もいるでしょうから、「どうしても我慢できないときに少量飲む」など、自制心をもってアルコール量をコントロールできるように心がけるようにしてください。
脂肪分の摂りすぎに注意!
大量の脂肪分は、膵臓に負担をかけてしまいます。
脂っこいものが大好き!という方は、食事に少し工夫が必要です。
例えば肉の唐揚げを大豆ミートに変えてみる、同じ肉でも焼かずに煮たり蒸すことで余計な脂肪分を落とすといったように、ヘルシーな調理法と食材に変えてみましょう。
消化にいいメニューを心がけよう
そして大切なのが、「消化にいい食事メニュー」です。
ご飯は軟らかめにたく、うどんは腰のあるものよりもくたくたに煮たものを、など工夫してみてください。
魚もすり身に、野菜は生よりも熱を通したものがいいでしょう。
食生活でアミラーゼの数値を整えよう
アミラーゼは尿から排出されるため、尿中アミラーゼの正常値範囲はとても広いものとなっていますが、正常範囲内であっても高めの数値であれば食事に気を付けて少し様子を見たほうが良さそうですね。
アルコールが大好きな方は、必ず休肝日を設けるなどして少しずつヘルシーな食事に変えていってみましょう。