胆石症の特徴的な症状である、背中の痛みや胆石疝痛について、また疝痛発作の特徴についてまとめました。
胆石症の初期症状についてもご紹介していますので、辛い痛みに襲われる前に治療を受けるためにも、ぜひご自身の健康状態をチェックしてみてください。
胆石症とは?
胆石症とは胆のう結石症の略称で、胆石と呼ばれる結晶が胆のうにできる病気です。
胆のうにできる血症の種類はいくつかあり、コレステロールを70%以上含む「コレステロール系結石」が全体の約70%を占めます。
次いで、ビリルビンカルシウム系結石や黒色石など「色素系結石」が多くみられます。
まれに、「炭酸カルシウム石」や「脂肪酸カルシウム石」など、コレステロールや色素を含まない胆石がみられることもあります。
胆石症の症状
胆石症の症状には、次のようなものがあります。
- 胆石疝痛(たんせきせんつう)
- 右上腹部の圧迫感
- 背中や右肩のコリや痛み
- 腹部膨満感
- 吐き気
ただ、胆石症になっても、これらの症状が出る人は20%程度と言われているため、胆石ができていても気づかずに過ごしている人も多くいます。
また、胃腸の不調と症状が似ていることから、胆石症の症状であることに気づけていない人も多いようです。
これらの症状の中でも、最も特徴的な症状が、胆石疝痛で、右上腹部、胸、右肩、背中辺りにかけて突如現れる激痛のことを指します。
胆石疝痛とは?
胆石疝痛は、右上腹部、胸、右肩、背中などに現れる激痛ですが、腹側と背中側の2か所同時に激痛がはしるという特徴があります。
胆石疝痛は脂肪分や油分の多い食事を摂った際に起こることが多く、その場合、食後1時間から2時間の間に起こることが多いようです。食事以外にも、ストレスにより胆石疝痛が起こることもあります。
ストレスが原因の場合は、長時間緊張状態が続いた際や、ストレスを感じる出来事が起きて間もなく、痛みを感じることが多いようです。
痛みの強さは、じっと座っていることが困難になるほどで、中には動くことすらできなくなり、救急車で運ばれる人もいるくらいです。
痛みは1時間程度で収まることが多いですが、中には3時間以上痛みが続く人もいます。ただ、必ず痛みは収まることから、これらの症状を疝痛発作や胆石発作と呼びます。
胆石症の初期症状チェック
胆石症になっても、すぐに胆石疝痛が起こるというわけではありません。
胆石症の初期症状としては、次のようなものがあるので、思い当たるものがないかチェックしてみてください。
- 背中の違和感や軽い痛み
- 右上腹部の不快感
- みぞおち周辺の不快感
- 右上腹部の軽い痛み
これらの症状は、胆石疝痛と同様に、脂肪分や油分の多い食事を摂った数時間後に現れることが多いです。
痛みは、日常生活を普段どおり送れる程度の軽度のものが多く、気づくと収まっていることがほとんどです。
初期症状が起こってからすぐに胆石疝痛による発作が起こるわけではなく、初期症状から数年後に発作が起きる人も多いです。
もし、このような初期症状を感じた際は、速やかに治療を行うことで、後の激しい痛みを経験せずに完治させることができるので、気になる症状があった場合は、早めに医療機関を受診するのがおすすめです。
胆石症の発作の対策
もし胆石症による発作が起きてしまったら、無理はせず、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
医療機関を受診すると、鎮痛鎮痙薬を処方されるので、服用することで発作の時間を短くしたり、痛みを抑えたりすることができます。
また、一度発作が起きてしまったら、その後は、脂肪分や油分の多い食事は避けるようにしましょう。ただ、そういった対策を続けながら、発作に怯えて暮らすことは、ストレスにもなる人も多いはずです。
胆石の種類によっては、開腹術による手術を行わなくても、薬で結石を溶かしたり、衝撃波で結石を砕いたり、内視鏡による手術で治療することもできるので、胆石を取り除くという根本的な治療を検討するのも良いでしょう。
胆石症は心臓発作と間違われることも
胆石症の疝痛発作は、心臓発作と症状が酷似していることから、心臓発作と勘違いして、胆石症の診療科である消化器科ではなく、循環器科を受診してしまう人が多いようです。
循環器科を受診すると、胆石が見つかる機会を逃すことになり、胆石が見つかるまでの間、何度も疝痛発作を繰り返してしまうことになりかねません。
そういった事態を防ぐためには、普段から健康診断や人間ドックで、エコー検査を受け、胆石を早期発見できる環境を整えておくことが大切です。
胆石の疝痛発作の痛みは人生最高レベル
胆石の疝痛発作について、痛みのレベルをいろいろな痛みに例えている人がいますが、どれも人生最高レベルの痛みであることには違いないようです。
女性の中には、「鼻からスイカ」と例えられる陣痛よりも痛いと感じる人も多いため、その痛みの強さがどの程度のものか想像できますよね。そんな疝痛発作ですから、体験せずに済むに越したことはありません。
健康診断を定期的に受け、胆石症の初期症状のようなものを感じたら、早めに医療機関を受診するなど、自身の健康としっかりと向き合うようにしましょう。