膵臓で見つかった腫瘍が良性の確率は?膵臓癌の初期・末期症状チェック

膵臓の腫瘍

膵臓の腫瘍が発見される人が、近年増える傾向にあります。膵臓の腫瘍には、膵臓癌の他にもいくつか種類があり、中には良性の腫瘍もあります。

そこで、膵臓で見つかった腫瘍が良性である確率、また、膵臓癌だった場合の症状についてまとめました。

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膵臓の腫瘍が良性の確率は?

確率
膵臓に発生する腫瘍は、良性腫瘍である確率は低いと言われています。

更に、良性か悪性かの判断が難しい場合や、悪性化する可能性のある腫瘍も多いため、完全に良性腫瘍と断言され、治療が不要と言われる人はほとんどいないようです。

そのため、良性腫瘍であっても、切除手術をすすめられたり、経過観察となる人が多い傾向にあります。

膵臓の病気は症状がほとんどないため、医師の指示は必ず守り、病変を見逃さないようにしましょう。

膵臓の腫瘍の種類

膵臓の腫瘍の種類
膵臓の腫瘍には、その性質によりいくつかの種類に分けられます。

良性のものもありますが、悪性化する可能性があるため、多くの腫瘍は切除をすすめられる傾向にあります。

浸潤性膵管癌

膵臓癌には外分泌系癌と内分泌系癌の2つがあり、外分泌系癌が95%を占めると言われています。

また、その外分泌系癌の85%を占めるのが、浸潤性膵管癌です。近年、日本では浸潤性膵管癌の患者数が増える傾向にあり、年間3万人以上の方が、この浸潤性膵管癌により命を落としています。

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

膵管内乳頭粘液性腫瘍は、膵管の中にできる、ポリープのような粘性を作る腫瘍で、以前は「粘液産生膵癌」と呼ばれていました。

症状がよほど進行していない限り、ほぼ100%切除できる、予後の良い膵臓癌として知られています。

超音波検査やCT検査により、症状が出る前に見つけられることが多く、MRI検査では、腫瘍ができそうな部位さえも発見できるため、体への負担が少ないうちに切除できるようになりました。

膵神経内分泌腫瘍(P-NETS)

膵神経内分泌腫瘍は、ホルモンを過剰に作る機能性神経内分泌腫瘍と、ホルモンを産生しない非機能神経内分泌腫瘍に分けられます。また、悪性の腫瘍と良性の腫瘍が存在します。

悪性の膵神経内分泌腫瘍は、神経内分泌癌とも呼ばれ、癌かどうかの判断は非常に難しく、さらに機能性神経内分泌腫瘍の場合は悪性化する可能性があるため、切除してしまうことが多いです。

粘液産生膵腫瘍(MCN)

粘液産生膵腫瘍は、女性に発生しやすく、患者全体の98%以上が女性とも言われています。粘液産生膵腫瘍にも、良性、悪性の2つが存在します。

先にご紹介したIPMNよりも悪性度が高く、リンパ節への転移や、膵臓以外への浸潤なども多いため、良性か悪性か判断できなくても、切除することをすすめられることが多いです。

漿液性嚢胞性腫瘍(SCN)

漿液性嚢胞性腫瘍は、粘液産生のない腫瘍で、基本的に良性腫瘍という位置づけです。

しかし、他の腫瘍との判別が難しい場合や、4cmを超える腫瘍の場合は悪性化しやすいため、切除します。

充実性偽乳頭腫瘍(SPN)

充実性偽乳頭腫瘍は、とてもまれな腫瘍で、膵体尾部に発生することが多いです。

10%程度の悪性例があるため、良性と判断しても、切除をすすめられることが多いです。

膵臓癌だった場合の症状

加齢
膵臓「沈黙の臓器」と呼ばれることがありますが、膵臓癌になっても、あまり自覚症状はありません。そのため、なかなか発見することが難しい癌です。

その上、症状に気づいた時には既に末期ということもあります。そのため、以下のような症状には注意が必要です。

黄疸

膵臓の頭部には、総胆管と呼ばれる管が通っています。総胆管とは、膵臓から十二指腸に胆汁を運ぶ管ですが、膵臓がんにより総胆管が圧迫されると、胆汁の流れが妨げられます。

そうなると、黄疸が出ることがあります。黄疸が出ると、皮膚や尿、白目が黄味を増したり、かゆみなどの症状が現れます。

黄疸は、腫瘍が小さくても発症することがあるため、膵臓癌の早期発見に役立ちます。気になる症状がある場合は、早めに精密検査を受けるようにしましょう。

上腹部痛

膵臓癌が進行すると、腫瘍が膵管を圧迫することで膵液の流れを妨げ、炎症が起こることがあります。その炎症により、背中の痛みを感じることがあります。

また、膵臓の周囲には神経が多く分布しているため、腫瘍が浸潤することで痛みが強くなることもあります。背中以外にも、肩やわき腹などに痛みを感じる方もいます。

上腹部痛は、膵臓癌の早期発見につながることも多いので、食事とは無関係に痛みが出る場合や夜中まで激しい痛みが続く場合は、早めに精密検査を受けるようにしましょう。

腹痛や発熱

膵臓癌になると、主膵管と呼ばれる膵液が集まる管が詰まり、膵液の流れが滞ってしまうことがあります。

そうなると、膵管は膨張し、膵臓に炎症が起こります。この炎症が起こると、腹痛や発熱といった症状が現れることがあります。

体重減少

膵臓は、胃や大腸、十二指腸などに接しているため、膵臓に腫瘍ができることで、それらの臓器は圧迫されます。

すると、食事を摂る量が減り、結果的に体重が減少します。

また、膵臓が分泌する膵液の流れの悪化により、食べ物の消化吸収能力が衰えると、食事から取り込む栄養が減り、体重減少につながることもあります。

糖尿病

膵臓は、血糖値を下げるインスリンを分泌しています。そのため、膵臓癌になると、インスリンの分泌量が減少し、糖尿病を発症することがあります。

また、元々糖尿病になっている人が膵臓癌になると、糖尿病の症状が悪化する傾向もあります。

膵臓の病変を見逃さないために!

膵臓の疾患、とくに膵臓癌は、進行が早いことでも知られています。

そのため、もし腫瘍が見つかった場合は、早急に精密検査を受け、適切な治療を受けることがとても大切です。

また、切除をせずに済んでも、定期的に検査を受け、膵臓の病変を見逃さないようにしましょう。

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