白血球の一種である「好酸球」は、人体の免疫システムにおいて大変重要な役割を担っています。
そのため、好酸球が少なくなってしまうと、感染症などにもかかりやすくなってしまいます。しかし好酸球は、多くなった場合にも身体に悪影響を及ぼします。
血液検査で好酸球の数値が高い原因と減らすための対策についてまとめました。
好酸球とは?
好酸球は白血球の一種で、ウイルスや細菌、寄生虫などの病原体を破壊する役割を持っています。
一方で、病原体を破壊する際に周囲の組織まで傷つけてしまい、炎症を悪化させてしまうこともあり、少しやっかいな細胞でもあります。
そのため、好酸球は増えすぎると体にとってあまり良くない反面もあります。
好酸球の数値が高い原因
好酸球の数値が高いということは、体内で何らかのウイルスなどの病原体と戦うために好酸球が増えているということです。
好酸球の数値だけではどんな病気が隠れているか、正確に断定することはできませんが、以下のような病気が疑われる場合があります。
医原性疾患
好酸球の数値が異常に高い場合に最も疑わるのが薬剤アレルギーです。
薬剤アレルギーにより好酸球の数値が高くなるという症例は日本では非常に多く、原因と疑われる薬を特定し、服用を中止すると数値は正常値へ戻ります。
寄生虫感染症
回虫症、条虫症、フィラリアなどの寄生虫に感染すると好酸球が増加します。
こういった寄生虫感染症は日本ではあまり見られなくなりましたが、それでも感染例はゼロではないので、好酸球の数値が高い場合は疑われます。
また、海外への渡航歴などがある場合は寄生虫感染症の可能性が高くなるため、渡航歴がある場合は必ず医師に伝えましょう。
アレルギーや喘息
アレルギーや喘息がある人は、アレルギー反応の際に肥満細胞から好酸球走化因子が放出され、炎症箇所に好酸球が引き寄せられるため、好酸球が増えてしまう傾向にあります。
ただし、アレルギー性鼻炎の人の場合は、鼻腔中の好酸球が増加するのみなので、血液検査の好酸球の数値に影響が出ないことが多いです。
その他多くの疾患
- 関節リウマチ・結節性多発動脈炎・Churg-Strauss症候群などの自己免疫疾患。
- 好酸球性白血病・性骨髄性白血病・リンパ腫・菌状息肉腫・固形癌などの腫瘍性疾患。
- 特発性好酸球増加症・好酸球性肺炎・好酸球性血管浮腫などの好酸球による疾患など。
主に上記のような疾患により好酸球が増加することがわかっています。
好酸球の数値を下げる方法
一般的に、好酸球はステロイドを使用して減らす場合が多いです。しかし、中にはあまりステロイドを使用したくない方もいますよね。
そこで、ステロイドの使用が最小限で済むよう、食品や東洋医学で好酸球の数値を下げる方法をご紹介します。
プロポリスを摂取する
ブラジル産のプロポリスを使用した研究で、プロポリスにはアセチルコリン感受性を軽減させる働きがあり、気管支喘息の発作を抑制し、更に好酸球の増加抑制作用まであることが判明しています。
プロポリスはサプリメントでもおなじみなので、試しやすいですよね。ただ、プロポリスは植物が原料となるため、逆にアレルギーの原因になってしまうこともあるので、植物アレルギーがある人は注意が必要です。
L-92乳酸菌を摂取する
数年前から、アレルギー症状やアトピー症状の改善に注目が集まっているL-92乳酸菌は、好酸球の数値を下げるという研究結果も発表されています。
まだそのメカニズムはハッキリとしていませんが、L-92乳酸菌による働きで腸内環境がよくなり、乱れていた免疫システムが正常化されることで、好酸球の数値も正常値になると考えられています。
L-92乳酸菌を含んだヨーグルトなどが販売されているので、ぜひ試してみてください。
爪もみ療法
東洋医学に関心がある人には有名な「爪もみ」も、好酸球の数値を下げる作用があると言われています。
爪もみには自律神経のバランスを整える作用があり、それにより白血球のバランスが整うことで、好酸球も正常値へと下がっていく仕組みです。
爪もみは好酸球の数値を下げる以外にも、風邪や腹痛など、体調不良の改善も期待できるので是非覚えておきたい健康法です。
爪もみ療法のやり方
爪もみ療法は薬指以外の全ての指に行います。手だけでも良いですが、足の指まで行うことで下半身の不調も改善するそうなので、手足全部で行うと良いでしょう。
- 爪の生え際の両角を、反対側の手の親指と人差し指で挟みます。
- 10秒~20秒ずつ痛いけれど気持ちがよいくらいの強さでもみます。
- 以上の手順を1日3回程度を継続して行う。
好酸球の数値を少しでも早く正常値へ
好酸球は炎症に反応するという性質から、あらゆる疾患に広く深く関わりがあります。
どんな疾患も早期に治療を始めることが大切ですから、好酸球の数値が高い方はまずは病院で検査を受けなければなりません。
その上で、プロポリスやL-92乳酸菌の摂取、爪もみ療法などを取り入れ、好酸球の数値を少しでも早く正常値へ下げれるよう努めましょう。