ピロリ菌の除菌後は体調が悪くなる?治療後の症状や再発について解説

ピロリ菌除菌

ピロリ菌は胃がんや胃潰瘍、胃炎の原因に成り得るため、感染が確認されたら、除菌治療を行います。

除菌治療は胃がんなどの予防対策にもなりますが、中には除菌治療後に体調が悪くなる人や、ピロリ菌感染が再発する人もいます。

体調の悪化や再発を防ぐためには、一体どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ピロリ菌の除菌後の症状や再発について解説します。

>>ピロリ菌の検査や除菌治療について

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ピロリ菌除菌後に注意すること

ピロリ菌感染
ピロリ菌の除菌治療が終わると、アルコールやコーヒー、タバコなどの嗜好品の摂取も可能になるため、完全に通常通りの生活に戻しがちです。

しかし、ピロリ菌の除菌治療に使用する薬は強い薬なので、除菌後も注意しなければならないことがあります。

1.暴飲暴食を避ける

ピロリ菌除菌治療後は、薬の影響で気持ち悪くなったり、胃部に不快感が生じたりすることがあります。

そのため、胃の調子が整うまでは、暴飲暴食は避け、できるだけ消化の良い食事を摂るように心がけましょう。

2.香辛料や脂っこい食事を控える

香辛料などの刺激物や、胃もたれの原因になるような脂っこい食事は、胃の調子を悪化させてしまいます。

ピロリ菌除菌後の弱った胃を労わるためにも、除菌治療後はしばらく香辛料や脂っこい食事を摂りすぎないよう注意し、少しずつ慣らしていくようにしましょう。

3.体調の変化に気を付ける

ピロリ菌の除菌治療後に、逆流性食道炎や十二指腸潰瘍などが発症する人もいます。

除菌治療によるものであれば、半年くらいで回復するので、症状が軽い場合は心配しなくても大丈夫です。

ただし、症状が重かったり、長期間にわたる場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

4.定期検診を受ける

ピロリ菌除菌が成功しても、それまでピロリ菌が胃に与えていた悪影響は消えるわけではありません。

そのため、胃潰瘍や胃がんのリスクは、未感染の人に比べると高い状態です。

除菌治療完了後も、1年に1回程度、定期的に胃部検診を受けるようにしましょう。

ピロリ菌除菌後の再発の原因

加齢
ピロリ菌の除菌が成功しても、ピロリ菌感染が再発する可能性があります。ピロリ菌感染が再発する原因は、大きく分けて2つあります。

偽陰性による再発

除菌治療の4週間後以降にピロリ菌再検査を受けることになります。そこで、陰性と判定されれば除菌が成功したことになりますが、まれに偽陰性のことがあります。

偽陰性とは、本当は陽性なのに、何らかの原因で陰性と判定されることです。

ピロリ菌感染の場合は、除菌治療に使用した抗生物質や、他の疾患治療等に使用した薬の影響などで、一時的にピロリ菌が激減しただけで、実際はまだ菌が残っていたということが考えられます。

他にも、除菌治療中に薬の服用を忘れたりすると、偽陰性を招くことにつながるので、注意が必要です。

除菌治療成功後も、胃の不調が続くなど、気になる症状がある場合は、内視鏡を使用したより精密なピロリ菌検査を受けることも検討してみましょう。

また、自覚症状がなくても、偽陰性であることは考えられるので、除菌治療成功後しばらく経ってから、再度ピロリ菌検査を受けることも再発予防に有効です。

ピロリ菌再感染による再発

除菌治療を行っても、ピロリ菌の再感染は防げません。

上下水道設備が整っていない国では、水にピロリ菌が含まれていることがあるため、再感染率は高くなっています。

一方、日本で再感染の原因として考えられるのはピロリ菌感染者からの口から口への再感染です。特に、ピロリ菌感染は自覚症状がないことも多いので、感染に気付かず暮している人も多いです。

そのため、そういった人との食事などを介して、ピロリ菌に再感染してしまう恐れがあります。

ピロリ菌感染の再発予防対策

女性看護師
ピロリ菌感染の再発を予防するためには、まず、除菌治療を確実に正しく行うことです。そして、その後も定期的にピロリ菌検査を受けて、症状が出なくても感染を早期に気づけるようにすることが大切です。

また、幼児がいる家庭では、幼児が既にピロリ菌に感染していることも多いです。そのため、幼児から再感染することも十分考えられるので、注意が必要です。

除菌治療後も、ピロリ菌の感染経路には十分注意し、次のような対策を続けるようにしましょう。

  • 上下水道設備の整っていない国では、生水を飲まない
  • 食べ物の口移しをしない
  • 糞便に触れた場合は、手洗いをしっかりする
  • ペットとの過度なスキンシップは控える

>>ピロリ菌の感染経路と予防対策を詳しく知りたい

ピロリ菌は早く正しく除菌しましょう

ピロリ菌の感染経路は、減少している傾向にありますが、昨今、ピロリ菌の耐性菌が増えていることも問題視されています。

抗生物質は、ピロリ菌の除菌治療以外にも使用されることがあるため、除菌治療以外の際に使用した抗生物質に対して、耐性を獲得したピロリ菌が生まれます。

それらの耐性をもつピロリ菌に感染すると、一次除菌治療では成功せず、異なる抗生物質を使用した二次除菌治療を受けなければならなる可能性が高くなり、以後三次、四次と治療を重ねることにもなりかねません。

そうなることを避けるためにも、ピロリ菌を早く正しく除菌し、再発しないようにしっかりと予防しましょう。

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