健康診断で、白血球数が基準値よりも低くなる原因と、白血球減少症の症状をまとめました。
また、白血球減少症になると、感染症にかかりやすくなります。
そのため感染予防対策の徹底が重要になりますが、その具体的な対策方法もご紹介していきます。白血球の数値が心配な方は、ぜひ参考にしてください。
白血球減少症とは
白血球数の正常値は、年齢や性別、体調などにより異なりますが、健康な人の場合、1マイクロリットル中3500~9800程度と言われています。
しかし、何らかの原因により、血液中の白血球数が1マイクロリットル中2000以下になると、白血球減少症と呼ばれます。
ただし、白血球数は個人差が大きく、検査機関ごとに基準値が異なることもよくあるため、数値だけでなく患者の生活状況や体調などを加味して、白血球減少症かどうかの最終判断は医師が個別に下すことになります。
また、白血球減少症は減少している白血球の種類ごとに以下の3つの呼び名があります。
- 顆粒球減少症(好中球減少症):白血球に含まれる好中球が減少している状態
- 無顆粒球症:好中球が著しく減少している状態。
- リンパ球減少症:リンパ球数が減少している状態。
白血球減少症の症状
白血球減少症は自覚症状があまりありません。しかし、白血球は細菌や真菌、ウイルスなどの病気から、体を守る働きをしているため、数が減少すると、免疫力が低下してしまいます。
そのため、症状が進んで白血球数が減少し続けると、以下のような症状が出てくることがあります。
- 発熱
- 倦怠感
- 月経過多
- 傷の治りが悪くなったり化膿しやすくなる
- 感染症に罹りやすくなる
普段から自分の体調を気にしておかないと気づきにくい症状が多いので、健康診断や、感染症になって医療機関を受診した際に、初めて白血球減少症であることに気づくという方が多いです。
白血球減少症の原因
白血球減少症の原因は、薬剤によるもの、疾患によるもの、更にストレスによるものの3パターンがあります。
薬剤による白血球減少症
白血球減少症の原因として多いのが、薬剤の接種や服用によるものです。特に「無顆粒球症」は、そのほとんどが薬剤によって引き起こされます。
原因となる薬剤には、抗がん剤や糖尿病薬、抗甲状腺薬、抗痙攣薬、抗ヒスタミン薬、精神安定剤の他、抗生物質や消炎鎮痛剤、降圧薬など、市販されている薬剤や漢方薬も含まれます。
疾患による白血球減少症
骨髄腫や白血病、再生不良性貧血などを患っていると、白血球数が減少します。
また、感染症や膠原病などの免疫疾患になった場合も、白血球数が減少します。
ストレスによる白血球減少症
長期間にわたりストレスを感じることで、白血球が減少することもあります。
ただ、白血球減少症と呼ばれるほど著しく数値が低下することはあまりないようです。
白血球減少症になったら気を付けること
白血球減少症になったら、免疫力が低下しているので、細菌が体内に侵入することを防ぐことが肝心です。
そのためには、以下のような対策法を行うことをおすすめします。
- マスクを必ず着用し、病気に罹っている人との接触はできるだけ避ける
- こまめな手洗い・うがいを心掛け、うがいは含嗽液を使用する
- 皮膚や衣類のを清潔に保ち、室内の清掃を徹底する
- 調理後はできるだけ早く食事を摂り、生ものは食べない
- カミソリの使用など、体に傷を作ってしまうような行為は避ける
- 虫歯がある場合は、早めに治療する
ただ、これらの対策をしていても、感染症に罹ることはあります。もし、のどの痛みや発熱、倦怠感などがあり、感染症に罹った疑いがある場合は、早急に医療機関にかかり、治療を行うようにしましょう。
また、日頃から体温を測定し、異常にすぐに気づけるようにしておくことも大切です。
健康な時に比べて、一般的な感染症でも病状が早く進行し、重症化してしまうこともあります。しっかり予防をして、医師の指示通りに行動するようにしましょう。
白血球減少症の治療法
薬剤性の白血球減少症の場合は、原因となっている薬剤の接種や服用を中止します。また、疾患が原因となっている場合は、その疾患を治療することが大事です。
また、抗がん剤の使用や血液の病気などが原因で白血球数が減少している場合は、グラン注射液を使って白血球を増やすこともあります。
いずれも、個人でできる治療はないので、医療機関を受診し、医師による治療を受けることになります。
白血球数が少ない場合は再検査を!
ストレスや感染症が原因で白血球数が減る人もいますが、中には白血病など、早く治療に取り掛かるべき病気が隠れていることもあります。
再検査を受ければ、その数値が一時的なものなのか、慢性的なものなのか確かめることが可能です。
白血球数が基準値より少なかったら、まずは医療機関を受診し、再検査を受けるようにしましょう。