血液検査で血清鉄(Fe)を調べるということは、すでにあなたは貧血の可能性ありと診断されていると仮定できます。
貧血の原因を探るための血液検査項目として存在する血清鉄(Fe)、これが基準値より低い時には、何らかの方法で改善していかなければいけません。
今回は、血液検査で血清鉄(Fe)が基準値より低いときの正しい食事と、改善方法についてご紹介します。
血清鉄の基準値
まずは血清鉄の基準値を見てみましょう。
- 男性・・・60~200μg/dl
- 女性・・・40~160μg/dl
血清鉄の基準値には男女差があり、女性の方が基準値は低くなります。
※基準となる数値は、検査施設により多少の誤差があります。
血清鉄が低くなる原因は？
血清鉄が低くなる原因は、鉄欠乏性貧血や出血性貧血です。
出血性貧血は子宮筋腫や内臓にできた潰瘍による出血、がんなどによって引き起こされ、下血や吐血といった症状で血液が体内から失われることが原因となります。
一方、鉄欠乏性貧血は食事内容の偏りや妊娠・授乳などで起こります。
血清鉄が低いときの病院での対応
血清鉄が低いときには、病院で治療を受けることもできます。
出血性貧血では、出血の原因となる疾病を治療していくこととなりますが、鉄欠乏性貧血の場合には鉄剤によって簡単な治療を受けられます。
女性であれば、妊娠中の貧血に鉄剤を処方された経験がある方も多いことでしょう。鉄剤での治療は、定期的に経過を見ながら進められ、大抵2か月程度で血清鉄の数値は改善します。
血液検査をして鉄分が十分と判断されれば鉄剤の処方は終了しますので、過剰な鉄分の摂取を心配する必要はありません。
血清鉄が低いときの正しい食事とは
血清鉄が低いときには、病院での治療ばかりではなく食事の内容についても考えていかなければいけません。
この時、病院から鉄剤の処方を受けているかどうかによって、気を付けるべき食事内容も変わってきますので注意しましょう。
鉄剤を処方されていない時
血清鉄が低くとも鉄剤が処方されるまでではなかった場合には、とにかく食事で鉄分を補給していく必要があります。豚レバー、ホウレンソウ、貝類、プルーンなどを積極的に食べるようにしてください。
また、血清鉄を上げたいのであれば>鉄分ばかりを摂取しても非効率的です。
たんぱく質を含む豚肉や鶏肉、ビタミンやクエン酸を含む果実類を同時に摂取することで鉄分の吸収率が上がります。
おすすめできる食事例①
カツオのたたきにすだちポン酢、あさりのお吸い物、ひじきと大豆の煮もの、小松菜のお浸し、食後にココア
おすすめできる食事例②
牛レバー焼き、アスパラとほうれん草のグラタン、ニンニクの素揚げ、ガーリックライス、シジミスープ
鉄剤を処方された時
鉄剤を服用している時には、服用していない時におすすめの食事にプラスして、鉄分の吸収を高めるビタミンcを意識して摂取するようにしてください。
また、鉄剤の副作用を緩和させるために腸内バランスをしっかり整えるということも大切です。
※鉄剤を処方している時は、鉄の吸収を妨げる濃いお茶やコーヒーで飲むのはやめましょう。
おすすめできる食事例①
マグロカツ、ひじきご飯、海藻サラダ、レモネード、ヤーコンヨーグルト
おすすめできる食事例②
豚キムチ、鶏レバーの甘露煮、レーズンとサツマイモの煮物、小松菜とヨーグルトのスムージー
血清鉄を改善させる方法
このように、血清鉄の数値を改善させる方法は病院での治療と食事療法が主になってきます。
病院で鉄剤による治療を受けている方は、医師の指導をきちんと守ることで効果が感じられるでしょう。
一方、治療を受けるまでではないにせよ、数値が低かった場合には次の方法で改善を試みてください。
食事制限ダイエットは中止しよう
「鉄欠乏性貧血になったのはダイエットを始めてから」という方は、ダイエット中の食事内容に問題があったと考えられます。
いくらダイエットをして痩せても、その代償が病気となれば問題です。数値が改善するまで、一旦ダイエットのことは忘れましょう。
サプリメントで効果的なサポートを
鉄欠乏性貧血の治療で使われている鉄剤には、実に100ｍｇもの鉄が含まれています。
これを食品から摂取しようとすると、レバーだと約1キログラムに相当するため、食事だけで鉄剤と同じように血清鉄を改善させるのは難しいことです。
そこでおすすめなのが、鉄分を含むサプリメントです。主な鉄分は食事から、その補助としてサプリメントを使用するだけで、毎日摂取できる鉄分量は格段にアップします。
できれば鉄分だけではなく、鉄分の吸収を高める動物性たんぱく質やビタミンCを含むサプリメントを選ぶようにしましょう。
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鉄分を適度に補給して血清鉄を正常値に
鉄欠乏性貧血による症状はめまいやふらつきだけではなく、女性の悩みの種である冷え性もあります。体の冷えはダイエットの天敵。
ダイエットをして貧血になり痩せにくい体を作らないよう、鉄分を十分に摂取して血清鉄の数値を改善し、貧血を予防しましょう。