【HBs抗原定量の基準値】血液検査で陰性ならB型肝炎の心配は無い?

血液検査肝炎

血液検査のHBs抗原の項目が陽性の場合、B型肝炎ウイルスに感染していることを示します。

一方で、陰性の場合でもB型肝炎ウイルスに感染しているケースも稀にあります。一体、どのような場合にB型肝炎を心配しなければならないのでしょうか。

HBs抗原の基準値、抗原検査とのB型肝炎の関わりについてまとめたので、参考にしてみてください。

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HBs抗原とは?

Hbs抗原
HBs抗原とは、B型肝炎ウイルスの表面たんぱくである、Sたんぱく質に由来する抗原です。

つまり、B型肝炎ウイルスに感染していない人の血液中には存在しない抗原で、HBs抗原が陽性だった場合は、検査時点で、B型肝炎ウイルスが体内で活動しているということがわかります。

HBs抗原定量の基準値

HBs抗原の検査方法は2通りあり、それぞれの基準値が異なるので注意が必要です。

別の検査方法の基準値と間違えて驚く方も多いので、自身が受けた検査方法をしっかりと確かめたうえでの基準値を参考にしてください。

  • 【MAT法】8倍未満
  • 【CLIA法】0.05IU/ml未満

HBs抗原が陽性だとどうなる?

可燃ウィルス
HBs抗原が陽性ということは、検査時点で体内にB型肝炎ウイルスが存在し活動していることを示していて、「急性B型肝炎」や「慢性B型肝炎」が疑われます。

また、B型肝炎ウイルスに感染しているのに症状がない「B型肝炎ウイルスキャリア」の可能性もあります。

HBs抗原が陽性の時は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

HBs抗原が陰性ならB型肝炎の心配はない?

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HBs抗原が陰性ならば、B型肝炎ウイルスが体内に存在しない、つまり、B型肝炎の可能性はゼロと解釈してしまいがちです。

しかし、実際は「偽陰性」といって、本当は陽性なのに、陰性と検査結果が出てしまうこともあるので注意が必要です。

自覚症状がある場合は注意が必要

HBs抗原が陰性で、特に自覚症状がない場合は、B型肝炎の可能性は極めて低いです。

ただし、倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、黄疸といった、B型肝炎の初期症状に心当たりがある場合は、偽陰性の疑いがあるので、再検査を受けることも考えましょう。

HBs抗原検査の偽陰性とは?

MAT法では5~10%、CLIA法では0.1%程度の確率で、偽陰性の可能性があります

偽陰性の原因としては、他のウイルスや抗核抗体による影響、検査後に血液と凝固剤がうまく混ざり合わなかった場合などがあります。

もし心配な場合は、再検査を受けることで、偽陰性なのか、陰性なのかはっきりすることも多いので、不安がある場合は再検査をしてみましょう。

HBs抗原検査結果と併せて見たい検査項目

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B型肝炎ウイルスに関する検査項目は他にもあるので、それらの検査結果も併せて見るようにしましょう。

HBs抗原が偽陰性かどうか確かめる際に、役に立つこともあります。

以下の検査項目で異常があった場合も、できるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。

HBs抗体

HBs抗体とは、B型肝炎ウイルスと戦うことで生成される免疫細胞で、予防接種未接種にも関わらず、HBs抗体が陽性の場合は、過去にB型肝炎ウイルスに感染していたことを示します。

また、HBs抗原が陽性にも関わらず、HBs抗体が陰性の場合は、B型肝炎ウイルスの活動が活発になっているということを示しています。

HBe抗原

HBe抗原は、B型肝炎ウイルスの内側にある抗原で、HBe抗原が血液中に出てくるということは、ウイルスが過剰増殖していることを示しています。

また、HBe抗原が陽性の場合、感染性が非常に強くなっているので、他人へ感染しないよう細心の注意を払うことが重要です。

HBe抗体

HBe抗体が陽性の場合は、B型肝炎ウイルスに感染しているけれど、感染性が弱いことを表しています。

それでも、他人に全く感染しないわけではないので、注意は必要です。

IgM-HBc抗体

IgM-HBc抗体が陽性の場合は、比較的最近、B型肝炎ウイルスに感染したことを示しています。

また、慢性肝炎が悪化した際にも陽性になることがあります。

IgG-HBc抗体

IgG-HBc抗体は、B型肝炎ウイルスに感染した際に陽性になり、一度感染したことがある人は、生涯にわたり、陽性を示すことが多いです。

また、B型肝炎ウイルスキャリアの場合、IgG-HBc抗体の数値が基準値を大きく上回る傾向にあります。

B型肝炎ウイルスをうつさないための感染予防方法

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HBs抗原が陽性だったり、偽陰性が不安な場合は、他人へウイルスが感染しないように注意することが大切です。

献血をしないこと、怪我をしたときは自分で処理をすること、歯ブラシやカミソリのような血液が付着するものは共有しないなど、とにかく自分の血が誰かに触れてしまうような行為をしないようにしましょう。

特に一緒に生活する家族は、感染リスクも高くなるので、怪我の際に備えて手袋を用意したり、手洗いを習慣づけるようにしましょう。

B型肝炎ウイルスの予防接種

B型肝炎は、予防接種で防ぐことができます。

「高力値HBsヒト免疫グロブリン」と呼ばれるガンバグロブリン製剤を筋肉内注射する方法は、48時間で効果を発揮するため、緊急時の感染予防に役立ちます。また、「B型肝炎ワクチン」を接種する方法もあります。

ただ、ワクチン接種の場合は、免疫獲得に時間がかかるため、医療従事者など感染リスクが高い場合や母子感染予防が必要な場合など、緊急性のない予防の時に向いています。

HBs抗原検査で早期治癒を!

HBs抗原検査は、B型肝炎の診断においてとても重要な検査です。

B型肝炎は自然治癒する事も多い病気ですが、一方で、放置することで肝硬変や肝がんなどに進展する可能性もあります。

HBs抗原検査により早期治療ができれば、そういったリスクも低くなるので、HBs抗原の結果が陰性でも、偽陽性の可能性がある場合は、早めに再検査を受けるようにしましょう。

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