MCV(平均赤血球容積)を調べることで、血液中にある赤血球の平均的な大きさが解ります。
この検査は主に貧血が疑われるときに行われるのですが、この数値が低いとき、体内ではどのような変化が出ているのでしょうか?
今回は、血液検査でMCVが低い原因と、貧血対策方法についてご紹介します。
目次
血液検査で調べるのはMCVだけじゃない
血液検査でMCVを調べる時には、同時に白血球、血小板、ヘモグロビン、ヘマトクリット、網状赤血球の量も調べます。
血液中に含まれる成分のそれぞれについて詳しく調べることで、血液全体の状態を細かくみていくことができるのです。
更に細かく赤血球の状態を調べるため、次の3つの数値を上記の結果から割り出していきます。
1.MCHC(平均赤血球色素濃度)
ヘモグロビン量/ヘマトクリット量で割り出され、ある程度の量の赤血球中に含まれるヘモグロビン量が解る。『基準値30~36%』
2.MCH(平均赤血球色素量)
ヘモグロビン量/赤血球数で割り出され、赤血球1個の中に含まれるヘモグロビン量を測る。『基準値28~32pg』
3.MCV(平均赤血球容積)
ヘマトクリット量/赤血球数で割り出され、赤血球が平均どのぐらいの大きさなのかが解る。『基準値80~98fl』
見るべき項目はMCVを含む3つ
ではここでもう一度、ご自身の血液検査項目とその結果を詳しくご覧ください。
この3つの項目は、それぞれの値だけではなく3つそれぞれがどのような値のバランスになっているかによって現在の血液の状態が解るのです。
- 3つすべてが基準より低い → 鉄欠乏性貧血の可能性
- 3つがほぼ基準値に収まるが低い → 再生不良性貧血または溶血性貧血の可能性
- MCVとMCHが高くMCHCは基準値 → 溶血性貧血または巨赤芽球性貧血の可能性
血液検査でMCVが低くなる原因は?
これらの情報を整理すると、MCVだけではなく他の2つの項目も低かった場合には「鉄欠乏性貧血」が原因であると考えらるようですね。
鉄欠乏性貧血は女性に多く見られる貧血で、鉄分はヘモグロビンを生成することから、血液中に鉄分が不足すると赤血球中のヘモグロビン量が減少します。
『鉄分不足=赤血球中のヘモグロビンが減る=赤血球が小さくなる=MCVが低い』というわけです。
鉄欠乏性貧血の症状
MCVが低く、鉄欠乏性貧血が疑われる場合、体にはこのような症状があらわれます。
- ふらふらする
- 頭がぼーっとする
- 動悸が激しい
- すぐ息切れする
血液検査にあわせ、このような症状があれば鉄欠乏性貧血の可能性があるかもしれません。
前項でも「女性に多い貧血」として紹介しましたが、鉄欠乏性貧血になる原因を見てみるとそれがよくわかります。
鉄欠乏性貧血になる原因は?
女性の場合はその性質から、常に鉄分不足に陥りがちです。
毎月の生理での経血によって失われるのはもちろん、妊娠・授乳による鉄分不足、さらに過剰なダイエットによっても鉄分が失われてしまいます。
MCVが低かった時には鉄分摂取を
鉄欠乏性貧血になると、常に体が重く感じ、実際の年齢よりも老けたような気持になってしまいますよね。
もしMCVが低く、それが鉄欠乏性貧血によるものであればまず鉄分の摂取が必要となります。
しかし鉄分は吸収率が良くないため、鉄分の多い食品を食べてもあまり体内には吸収されないのです。
効率的な鉄分の摂取で貧血対策を
鉄分の多い食事をするときには、効率よく鉄分を吸収できる次の栄養素と一緒に摂取しましょう。
- 動物性たんぱく質
- ビタミンC
- 果実酸(クエン酸)
しかし、こうやって鉄分の吸収を促す栄養素を見てみると、鉄分の多い食品と合わせるのは少し難しい気がしませんか?
合わせて調理できなければ別に一品作ることになり、料理の手間は格段に増え、働く主婦やワーキングマザーにはちょっと難しいことですよね。
もっと手軽に効率よく鉄分を摂取したいのなら、サプリメントを活用してみましょう。
貧血対策用に鉄分と動物性たんぱく質、クエン酸やビタミンcを含むサプリメントもありますので、一度試してみてはいかがでしょうか。
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MCVと症状を見て対策を
MCVが低いからといって必ずしも体に異常があるわけではありませんが、貧血の症状が見られる場合は注意が必要です。
女性の多くが悩む鉄欠乏性貧血ですが、いままでいくら鉄分を摂っても思ったような効果が得られなかったという方も多いでしょう。
これからは効率よく鉄分を摂取し、血液に鉄分を十分補給してあげてくださいね。