血液検査で「尿素窒素BUN」が低いという結果が出てしまったあなた！どうやらこの数値が低いとき、注意するのは腎臓病だけではないようです。
「尿」とつくのだから腎臓だけ気を付けてればいいと考えてると、意外な落とし穴にはまってしまうかもしれません。
尿素窒素が低いときの原因や注意したい病気、そして尿素窒素数値の改善方法について解説していきます。
目次
「尿素窒素BUN」が低くなる原因は？
尿素窒素が低くなる原因を知るためには、まず尿素窒素がどこからきているのかを考える必要があります。尿素窒素はたんぱく質が分解される際の最終代謝物で、肝臓で作られ最後は腎臓から排出されていきます。
尿素窒素は朝の空腹時で基準値が10～15mg/dlですので、10mg/dl未満だと尿酸窒素が低いということです。
尿素窒素が低くなってしまう原因は、妊娠、尿への排出量増加、たんぱく質摂取不足、肝不全などが挙げられます。
こうして尿素窒素が低くなる原因を見てみると、意外にも腎臓だけではなく肝臓の疾患も含まれていることが解りますね。
「尿素窒素BUN」が低い人はこんな病気の可能性が！
それでは、尿素窒素が低いとき注意したい病気を具体的に紹介していきます。
劇症肝炎
劇症肝炎とは、急性肝炎患者の1%ほどが陥るという病気です。急性肝炎から劇症肝炎になると、発症から8週間以内に肝性脳症と肝機能不全が起こります。
これは急激に肝細胞が破壊され、肝臓機能が働かなくなることで有害物質が体にたまり続けるためです。
劇症肝炎は一般的な急性肝炎と同じく全身の倦怠感、黄疸から始まり、やがてろれつが回らなくなり意識障害を起こすのが特徴です。
肝硬変
肝硬変はその名の通り肝臓が固くなる病気です。アルコールの過剰摂取や食生活の乱れが原因として有名ですが、肝硬変になると黄疸だけではなく腹水、手掌紅斑、羽ばたき振戦といった特徴的な症状が現れます。
手掌紅斑とは、手の平の親指や小指の付け根にだけ紅斑が現れるもの、羽ばたき振戦は腕を前に伸ばすと手が震えてしまう症状のことです。
肝硬変は様々な肝臓の病気の最終的なものといえますから、肝硬変になるまで肝臓の病気に気づかない人は稀でしょう。
「尿素窒素BUN」の数値を改善する方法はある？
これまでのお話を総合すると、尿素窒素が低いということは極端にたんぱく質の摂取が少ないか、肝機能に障害が出ているかのいずれかが原因であると考えられます。
特に間違ったダイエット方法に取り組んでいる方や、アルコールを過剰に摂取しているという方で尿素窒素が低い場合には以下のポイントを抑えて生活してみてください。
ダイエット中の方は
ダイエット中には野菜中心で炭水化物も肉類も控えてしまうという方もいるようですが、そのダイエット方法では健康的なやせ方はできません。
とくにダイエット中はいつもより運動を多めにすると思いますが、この時にたんぱく質が十分に摂取できないと筋肉を分解して栄養を補給することになります。
こうなると、「ダイエット→筋肉量の低下→基礎代謝の低下」という悪循環を繰り返してしまいますから、運動をしたら必ずたんぱく質を摂取して筋肉量を増やし、基礎代謝を上げるようにしましょう。
たんぱく質の摂取は炭水化物と同時にすると筋肉増強だけではなく疲労回復にも役立つので「おにぎり+ささみ」「プロテイン+バナナ」などを運動後に補給するのがおすすめです。
アルコールを過剰に摂取している方は
お酒を毎晩大量に飲んでしまう、という方で尿素窒素が低いというのは要注意です。
肝臓はアルコールによる毒素を分解しますが、摂取するアルコールの量が多すぎると解毒が間に合わずにどんどん肝臓に蓄積し、最終的に肝硬変になってしまいます。
肝硬変はなったらおしまいですから、毎日の生活で予防していくことが大切です。今日から早速アルコールはやめるか量を減らし、よく休息をとって肝臓を休めてあげてください。
ダイエット中やアルコール好きの方におすすめの尿素窒素の改善方法
アルコールが大好きな方には肝臓をサポートする貝類がおすすめだというのは皆さんご存知だと思いますが、実はダイエット中の方にもぴったりなんです。
特にしじみに含まれる「オルニチン」は遊離アミノ酸であり、血中に流れて肝臓の解毒作用を助けてくれます。
これが「しじみが二日酔いにいい」と言われる理由なのですが、ダイエット中で体内が栄養不足＆疲れ気味の時にも役立ちます。
肝臓が健康であることは毎日を活発にするために必要なことですから、「オルニチン」は積極的に摂取していくのが好ましいでしょう。
「オルニチン」を手軽に摂取するために
そんな年齢性別に関係なくおすすめしたい「オルニチン」ですが、手軽に摂取できる方法はあるのでしょうか？
しっかり食事で取り入れたい方におすすめなのは「しじみの佃煮」です。砂出ししたシジミを一度蒸して、貝から身を取り外し佃煮にします。
これならシジミの成分が濃縮され、栄養素もたっぷりですが、問題は「手間暇がかかりすぎる」ということです。
忙しい毎日の中でも簡単・手軽に「オルニチン」を摂取したいのであれば、サプリメントを活用してみしましょう。
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まとめ
腎臓だけじゃない尿素窒素が低い理由と原因について、理解が深まりましたでしょうか。
数値がとても低い場合には再検査や精密検査が行われると思いますが、怖がらずにしっかり検査をし、必要があれば医師の指導の下きちんと正しい治療を受けるようにしてください。